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第0話 零式艦上戦闘機
その戦闘機は疾風迅雷の如く戦争に現れた。そのあまりの強さ故、対米戦争(第二次世界大戦)開戦初期は無敵の戦闘機と呼ぱれた。実際、あの真珠湾攻撃を指揮した山本五十六連合艦隊司令長官(当時)は零戦を用いた敵空母殲滅訓練を激しくやって来た。あの米国に勝つには空母機動部隊と潜水艦隊をどうにかしなければ勝ち目は無く、戦争は短期で終結させて早期講和する。それが山本五十六元帥閣下のお考えであった。しかし、陸軍の馬鹿どもが中国戦線で無茶をするから、海軍はその尻拭いをさせられた。と日本海軍の幹部は皆思っていた。とにかく、暴れるだけ暴れたら直ぐに講和する。長期戦持久戦になれば海軍は愚か日本は絶対に負ける。そんな事位駐米武官をお勤めになられた山本五十六元帥閣下は痛いほど分かっていた。だから元帥閣下は零戦と日本海軍の空母機動部隊にかけた。結果は大失敗。米国海軍太平洋艦隊の空母は一隻もいなかったからである。そうとは知らず国民は喜んだ。