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第三百七十五話:大戦を始めよう

 そして翌日、ヴァン達は目覚めた。


「頑張ろう」


 ヴァンが静かに、そう告げた。


「うふふふふふふ」


 ララーシャが、微笑む。


 ヴァン達は、朝飯を食べる。


 その黒の城の中には、魔族の兵士達が存在している。


 彼らは手練れであり、霊祖体の亡骸が暴れても殺されないだろうというララーシャの判断のもと、黒の城の中に、まだ存在している。


 そしてヴァン達は朝食を食べ終え、顔を洗い、いつもの服に着替え、黒の城の門の前に立った。


「さて、大戦を始めよう」


 ヴァンが静かにそう告げ、サキ、レイラ、ララーシャ、ホカが頷いた。


「きゃはははははは」


 アリシアは楽しそうに、笑った。


「うふふふふふふふ、それじゃ君達、お願いね」


 ララーシャが魔族の兵士達に対して、そう告げる。


 数多の魔族の兵士達であるスライム騎士やエリートゴブリン達は、ララーシャの言葉に呼応する。


「うおおおおおお、俺達、頑張りますです」


 エリートゴブリンがそう告げ、そいつらは、門の外に足を踏み出した。


 人間の兵士達が、魔族の兵士達と対峙する。


「うふふふふふふふふ、殺しちゃだめよ」


 魔族の兵士達に、ララーシャのそんな声が届いた。


 魔族の兵士達は頷き、そして、人間の兵士達 vs 魔族の兵士達の戦いが、始まった。


 この大戦の火蓋が、ヴァン達ではない者達の戦いにより切られたのだ。


 ヴァン達は門の外に出て、走り出した。


 人間の兵士達が見張っていたが今やそ奴らは魔族の兵士達と戦っており、ヴァン達を捕まえることはできなかった。


「おい、待て!!!!」


 魔族の兵士達と戦っている人間の兵士達はそう叫ぶが、ヴァン達は無視して、先に進む。ヴァン達の背後に、魔族の兵士達も数体ついて走っている。


「本当に、人がいませんね」


 走りながらホカが辺りを見て、そう告げた。


「うふふふふふふ、いいことね」


 ララーシャが、微笑んだ。


 これから滅ぶこの国に、人などいないに越したことはないのだ。


 ヴァン達は急ぎ足で、霊の湯に向かった。


 到達した霊の湯の周りには、そこを守るかのように人間の兵士達が存在している。


「お前ら、どいてくれ!!!! 俺達はその中にいる奴に、用があるんだ!!!!」


 ヴァンが、そう叫んだ。


「どくわけないだろう。この国を滅ぼそうとする犯罪者には、ここでお縄になってもらう」


 人間の兵士がそう告げるが、その兵士達の方に魔族の兵士達が向かう。


 そしてここでも、人間の兵士達 vs 魔族の兵士達の戦いが繰り広げられる。


 その戦いにより、人間の兵士達はヴァン達を捕まえることができなかった。


「よし、霊の湯の中に向かおう」


 ヴァンがそう告げ、その中に入ろうとした。


「おほほほほほほほほほほほ、わざわざ入っていただかなくても、こちらから出向いてあげますわよ」


 ヴァン達の前に、聖女のような格好のプリズマが現れた。相変わらず細い目で、ヴァン達を見るプリズマ。


「プリズマ様!!!!」


 人間の兵士達が、プリズマの方に向いた。


「おほほほほほほほ、騒がしいわねぇ」


 プリズマの手には、霊剣が握られている。


「わはははははは、それを返してもらおう」


 ゴルドとシルバがその剣を見て、そう告げた。


「おほほほほほほほ、もちろん嫌よ」


 プリズマが、断言した。


「なら、取り返すまでだ」


 ゴルドとシルバが鼻息荒く、そう告げた。


「おほほほほほほほ、取り返してみなさい。前回このわたくしにぼこぼこにされた、弱き者達に取り返せるのならね」


 プリズマの細目が、大きく開いた。そして、ゴルドとシルバを含むヴァン達全員を視界に捉えた。


「ねぇ、もういいんだよね?」


 ヴァンがそう言って、首をかしげる。


「うふふふふふふ、逃げなきゃいけない人は、みんな逃げたわ。だから、もういいわよ」


 ララーシャがヴァンに対して、微笑んだ。


「よし、なら遠慮なく」


 ヴァンがそう告げてから、大きく息を吸い込んだ。


「スキル"圧倒的な正義感"」


 ヴァンの手に、正義の剣が握られていた。


 その剣を持って、走るヴァン。


 ヴァンは、プリズマの方に向かう。


「スキル"傲慢なお友達"」


 プリズマが、そう告げた。


 プリズマの頭上に、とある存在が現れる。


 かなり巨大な、天女のような存在。真っ白なローブを頭からまとい、祈っているかのように自らの胸元で手を組んだ、目を閉じている大きな女性だ。


 空に浮かんでいる、常人の十倍くらいもありそうな大きさのそいつは、微笑んだ表情をしている。


 そしてその手を開き、ヴァンの正義の剣に当てた。ヴァンの正義の剣は受け止められ、付近に果てしない衝撃が轟いた。


「強いのは知ってるよ」


 ヴァンが、そう告げた。


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