目次 次へ 1/3 不快感 「ここで食べていきませんか?」 端正な顔立ちがこちらを見ていて萎縮した。 私はテイクアウトで頼んだはずなのに。 今 空(す)いてますし そう続けた彼は店内を見渡して 私もそれにならった。 確かに空(す)いている。 それどころか、お客さんは1人もいなかった。 「また今度」なんて嘘丸出しな断り方をした私 そうですかと答えた彼の表情に 私の内面を覗かれた気がして、私の不快感は今日のベストを更新した。 扉をゆっくり閉めてお弁当の袋を持ち直す。 握りしめた手の汗は、この暑さのせいじゃない。