第6話
「うわぁ!アリス、すごく似合ってるよ、とっても可愛いね!」
ルイスにもらった服に着替え、ルイスにお披露目する。
まぁ、着替えてる最中ずっと普通に前にいたんだけど、何故か……。
見た目が子供だから目の前で着替えても羞恥心を欠片も感じさせないなんてなんというか……
でもそんなことを思うというのはさておいてルイスが小さい体で姿鏡を抱えてきてくれ、鏡を見て自分の格好を確認する。
すると平民らしい感じの服装ではありつつもところどころにフリルがあしらわれたしブラウス、チェックのサロペットは紳士服とはいえ可愛い。
「アリス、前に女性が街で独り歩きするのは危ないから男装して出かけてきてるって言ったでしょ?だから送るなら可愛い紳士服がいいかなって思ったんだ。アリス、顔は可愛いから絶対会うと思ったんだ。」
最上級の天使の笑顔で嬉しそうに微笑みながら見つめてくるルイス。
そんなルイスに嬉しさのあまり抱き着きたくなった私はルイスに両腕を広げて近づこうとする。
しかしその瞬間だった。
「それにこれなら胸元に大きいフリルあるし、鏡を見てもまな板だっていう現実を少しだけ逃避できるでしょ?」
ルイスらしくひどく余計な言葉を告げられ、抱き着く気が失せたのだった。
「でも喜んでいいよ、アリス。僕女の子にプレゼントなんてしたの初めてなんだぁ。」
ぐさりと精神を貫く発言をされ、抱き着くのをやめた私。
そんな私にルイスはそっと近づき、私の身体を姿鏡に向けさせると私の身体に触れ始めた。
沸き下両腕で挟むように触れ、上から下に撫でおろし、その後そのまま腰から太ももまで手を滑らせてくる。
そしてそっと私に抱き着くと左手は胸下、右手は太ももと太ももの間に回された。
どこかいやらしさを感じてしまう触り方に恥ずかしさを感じ、顔に熱が帯び始める。
「あ、あの、ルイス?え、えっと……」
ルイスの行動の意図がわからず困惑してしまう。
これはどういうことなのだろう。
そう思っていた時だった。
胸下に回されていた左手がちょうどそのあたりまで微妙に伸びている首輪の鎖に鏡で位置を確認しながら延ばされる。
そして今度は鎖に延ばされた手をくるくるとまわし、鎖を軽く手に巻き付けて遊びだす。
本当にこれはいったい何がしたいのかと思って困惑していた時だった。
「へへ、ぼ~くのっ。」
小さな声で嬉しそうに「僕の物」という声が聞こえてくる。
大きな声で私を「自分の物」と言わず、嬉しそうに抱きしめているルイスにどうして興奮せずに入れましょう。
……とても鼻血が出そうです。
というか……
「あの、ルイスさん。やっぱり私たちそろそろお付き合いとか……」
「うん、いつかね。」
「あ、はい。」
少し照れながら恐る恐る問いかけてみると明るい声ですぐさまお預けを食らう。
ここまで私を独占しようとしてくるのにどうして付き合ってくれないのだろう。
歳の差が問題なのだろうか?と思ったこともあるけどこの世界は17歳が成人年齢だ。
つまり私は一応成人しているため駄目な理由がわからない。
(……まずは触らせてもらえるようになるところなのかな。)
先は遠いなと思いながら私は可愛くもいやらしく私を抱きしめる天使のような小悪魔に対し心の中に飼っているオオカミが暴れださないよう必死に押さえつけるのだった。