表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
BLゲームの世界に主人公たちの妹として転生した結果  作者: 皇 鸞(すめらぎ らん)
本編
4/115

第4話

「こんにちは、ルイス!!」


愛しのルイスの営む雑貨屋に息を切らしながらも笑顔で入る私。


そんな私を見るや否やルイスは笑顔で私を出迎え、小柄な体でとてとてと駆け寄ってきてくれた。


「いらっしゃい、ぺちゃぱいのアリス。」


にっこりと天使のような微笑でぐさりと刺さる言葉を言ってくるルイス。


言い方でお気づきかもしれないがもちろんルイスは私が女であるということは知っている。


それを知っているというのにただでさえ疲れている私に疲れているとは知らないとはいえなんてダメージの大きい攻撃なのだろう。


「あ、あのね、ルイス。私今日はいつも以上につかれてて……ちょっとだけでも抱きしめさせてもらえたりなんて……」


「あはは、そのまな板僕に押し当てる気?膨らませてからいいなよ。」


恐る恐る尋ねる私に笑顔でさらに精神ダメージを与えてくるルイス。


本当にこの天使のような小悪魔……ってか悪魔は容赦がない。


なんて思っていた時だった。


「いい子いい子。待てができてアリスはいい子だねぇ~。」


駄目といわれて大人しく引き下がる私を見たルイスがルイスの精神攻撃により項垂れる私の頭を軽く背伸びをしながら撫でてくる。


その手はとてもやさしくて心地よくて、言い方はともかく「やはりルイスは天使。」なんて思ってしまう。


人間優しくされると調子に乗るものだ。


なでてくれるということは癒してくれるということと調子に乗った私はルイスを抱きしめようと手を伸ばす。


するとその手はルイスに叩かれた。


「駄目だよ。アリスから僕に触るのは禁止って言ってるでしょ。」


天使のような見た目で小悪魔のように魅惑的な笑みを浮かべるルイス。


触ることを許されなかったことに半分涙目になるも、そんな顔されたらもう何も言葉が出てこない。と、私はルイスに触れるのを諦める。


今日も今日とて弄んでくるルイス。


大体いつもこんな感じなのだ。


でもルイスは意地悪に見えてとてもやさしい。


「アリス、何時ものところに座ってて。僕店の看板下ろしてくるから。」


雑貨屋はまだまだ営業時間内。


でも私が疲れてやってくるとルイスは店の営業より私を優先してくれる。


商売人がそれでいいのかと言いたくはなるけどそれでも優先してもらえることがとても嬉しい。


でも、優しくするならとことん優しくしてくれと思わなくもない。


「あの……ルイス……。私はいったいいつになったらお触りが解禁されるの?」


店の看板を下ろし、お茶を入れてくれたルイスは二人掛けのテーブルに座る私の膝の上に座ってお茶を飲みだす。


そして私にもたれかかってきながらお茶を飲んで、その柔らかい髪を私の頬に当ててきている。


こんなかわいい生物、抱きしめたいに決まっているのにルイスはやはり私から触らせてくれない。


少し前に膝の上に乗ってるなら少しくらい触らせてもらいたいとお願いしたら「いつかねぇ」と帰ってきた。


なんかもう本当飴と鞭を交互に与えられている感じで私は正直、変な性癖を開花させられそうになっている。


というか開花されているかもしれない。


お預けはお預けでちょっと興奮してしまっている気もしなくもないけど認めたくないというのが現状だ。


それに何がひどいというとルイスは絶対私から触らせてくれないのにルイスは私にひどく触る。


今だってルイスの椅子となってしまっている私の頬をルイスは軽く息を当てながら撫でてくる。


(いや本当、何の拷問ですか?これ……)


ルイスの事だから恐らくわざとなのだと思う。


触り方がいやらしい!!


……気がするけどきっとわざとで思い込みなんかではないと思う。


つまり恋人ではなくなんか従僕関係にも近い子の関係だけど接し方から私に対し興味はあるのだということはわかる。


家族以外の人間で腹の中で私を消そうと考えていないルイスという存在。


その存在がどれだけ私に安らぎを与えてくれているかなんてルイスは知らないのだろうなと思いながら私は今日も私の中の狼を抑えながらルイスの入れてくれたお茶を飲むのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ