進化
始まりの街についたー!
私たちは馬車を降り、少し離れていた景色をまた目に焼き付ける。なんつーか、結局この街に落ち着くっつーか。
私たちが馬車を降りると、馬がこちらにやってくる。
「やっと降りたか」
「ふぇ?」
「さっきぶりだな。アマツミカボシとミーミル。俺についてこい。拒否権はない」
といって馬に乗せられる。
「あ、あれ? 私はどうしたらいいのだ?」
「お前も仲間か? お前には用はない」
「そうか…」
と、クシナダががっくりと肩を落とした。
私たちは二人馬にまたがると、馬はどこかに向けて走り出していった。始まりの街を抜け、森の中に入っていく。
「スケアリーさん、私たちをどうするつもりで?」
「頼みがあるだけだ。お前らは強い。それだけで充分だ」
「頼み?」
「俺たちの拠点で話す。黙って乗っていろ」
というので、私は黙って乗っていることにした。
そして数十分馬を走らせたところでなにやら廃墟のような者が見えてきた。石造りの廃墟で草が刈り取られている程度だ。
中に入ると椅子やらベッドやらあり、盗賊団の部屋もあるような場所だ。すっげえ、廃墟生活かよ。
「お頭ぁ、人質っすかそいつ」
「違う。俺の大事なお客だ。間違っても手えだすなよ。出したら殺す」
「へいへい」
盗賊たちもスケアリーには強く出られないらしい。
「さて、座れよ」
と、スケアリーが椅子に座る。
私たちも椅子に座った。
「頼みってのは簡単だ。俺を進化させろ」
という。
進化?
「進化を知ってるのか?」
「当たり前だ。昔の人間は進化していたという。今の人間は体たらくがすぎる。俺は強くなりたい。俺に協力しろ」
「進化方法はわかってるの?」
「わかっている」
という。
「この裏の洞窟に進化の石があるという。俺に同行してそいつを手に入れる」
「進化の石!?」
「ああ」
進化の石…。進化するための石か。
だがしかしそこは聖域なのか? それとも、進化する方法は聖域だけじゃないのか? わからんな。進化と言うのは謎がまだまだある。
「洞窟に出てくる敵は手ごわい。こいつらじゃ頭が悪いからたどり着けねえ。俺が見込んだお前らならたどり着けるだろう」
「そゆこと…」
「なんだ。依頼書っつーのか。書いてやったぞ。これでいいだろ」
というので依頼書を受け取る。
「私も進化したかったし受けるよ!」
「私は既に進化してるからいいんだけど…進化の石、か」
大発見じゃないだろうか。
進化する方法は聖域だけとしかわかっていなかった。だがしかし進化の石があるということは誰も知らなかった。
世紀の大発見…とまではいかないがゲームにおいてこの発見はすごい。
「助かる。準備ができたら俺に言え。案内してやる」
というので、まずは準備を知ろということらしい。
「私たちはだいじょぶだよ。いける」
「そうか。じゃ、案内しよう」
そういってスケアリーは立ち上がったのだった。




