チーム:アマノイワト
ミカボシと合流した。
ミカボシは少し眠そうにしていたが…。私とクシナダが現れるとシャキっとした。
「おはよーさん」
「おはよー…」
まだ頭ははっきりしてないのか少し眠たげ。
私はぺちぺちと頬を叩くとミカボシは少し顔を赤くした。
「きょ、今日は私たちの拠点に案内するよ…。私とクシナダの二人でチームを作ったんだ」
「チーム?」
「要するに所属団体みたいなものだ。プロ野球とかサッカーでもあるだろう。チームというのは。それと同じだ」
ほう、ネトゲでいうギルドと考えてもよさそうだな。
私もそれに入るべきなのだろうか…。チーム、チームか。
「チームを作って拠点を作ったんだよ。ついてきて」
というので私は二人についていく。
繁華街の路地裏の中に入っていく。入り組んでいる路地裏を歩くと扉があった。
その扉を開くと地下につながる階段がある。
「すげ、秘密基地みたい」
「ふはははは! カッコいいだろう! 私がここにしたいと言ったのだ!」
「すごいわかりづらいとこにあるからたまに迷うんだけどね…」
私たちは階段を降りていく。
階段を降りるとなにやらバーのようなカウンターがあり、テーブルがあった。
ライトも薄紫色でなんていうか知る人ぞ知るバーのような感じだ。
「すげえ、こういうの特撮とかそんなのでしかみたことないぞ」
「バーなのは私がそうしよって言ったんだ〜。大人な雰囲気っていいよね」
場所はクシナダ、内装はミカボシの意見か。こんなとこに拠点を構えるなんて。
ロマンあるなあ。
「どうする? 私たちのチームに入るか? 今のところ誰も入れる予定はないからさー」
「ミーミル。お前が決めていいぞ。どちらにせよ手助けはするしここを使ってもいいからな」
という。
だがしかしこいつらはわかってるだろうに。私が断らないということを。
それをわかってるのかニヤニヤしている。ちょっとうざい。
「んじゃ、入るよ。私はお前たちがいないとダメだから」
「決まりぃ!」
私はチームに入ることになった。
チームに入りますかというアナウンスがあったので入ると答えるとチームに入れたようで、所属:名無しとなっていた。
「名無し?」
「まだ名前は決めてないんだよね。ミーミルが入ってから決めようって思ってさ」
「ふはははは! 一年近くも名前がないチームだったぞ! さあ、名付けは貴様に任せた、ミーミルよ!」
「ええええ!? 私が名付けんの!?」
「拠点の場所はクシナダが選んで内装は私がやって…名前はミーミルに決めて欲しかったんだ」
と言われた。
名前、名前かあ…。重大だなあ…。ちゃんと名付けれるのかなあ。
私は少し考える。
「アマノイワト?」
「ほう、天照大神が閉じこもっていた…」
「それでいいんじゃないもう…」
みんな神話に関係あるからな。
クシナダはクシナダ姫。ミカボシはアマツミカボシという神様。私はギリシア神話のアテーナー。私だけ日本神話じゃないんだけど…。
「いいな。チーム名はアマノイワトだ! 私は賛成するぞ!」
「私はそれでもいいよ。アマノイワトでも」
「じゃあアマノイワトで」
そういうとアマツミカボシはメニューで何か操作し始めた。
「チームリーダーはミカボシなの?」
「そう。サブがクシナダね。ま、二人しかいないから」
まあそりゃそうか。
《チーム名がアマノイワトに決定されました》
アナウンスがそう入った。
「よし、これから三人でこのゲームをやっていこう! このゲームの主人公は私たちだからね!」
「そうだな。私たち三人は無敵だ。ふははは!」
「その笑い癖なんとかならないのクシナダ…」
ミカボシが手を前に出す。
その上にクシナダが右手を乗せた。私も右手を乗せる。
「頑張るぞー! おー!」
「「おー!」」
なにを頑張ればいいのか知らないけど…。
 




