忌々しき太陽が照らすものは ②
とりあえず二人も戦うことになった。
クロムもちょうどログインしていたのでクロムを急いで呼び寄せるためにクシナダが走る。私とミカボシがアマテリウスと向き合った。
「時の眷属に運命の眷属……。貴様ら、絶対にただじゃ……」
そうにらんでくる。
私は睨み返すと怯んだような声を出した。絶対に許すものか。私はこいつらを守るのだ。だからこいつらをどうにかしようものなら私は絶対に……。
私はそのまま距離を詰め、一発まずはアマテリウスに入れる。体力は8分の1くらいは削れていた。
「その武器は……!」
「さすが神殺しの武器。こんだけ入るとは」
「ぬうう、無駄な武器を持ちおって!」
アマテリウスは一気に距離を詰めてきた。
剣を持ち、振り上げる。ミカボシがダメージを受けた。ミカボシは今の一撃だけで半分くらい削れておりさらには状態異常もついていた。
「なに、これ」
「太陽の熱さで悶えるがいい!」
状態異常は大やけど。毎秒ダメージが入り、ものすごい速度で体力が削れていく。ミカボシはたまらずポーションを飲んでいるがダメージは入り続ける一向だ。
ちっ、厄介な状態異常を持ちやがって。
「ま、まずいかもこれ。ダメージが大きすぎて戦えないかも」
ミカボシはそう言って笑う。
「私がやってやる。ポーションをひたすら飲んで待っていろ」
と、私が言うと女神はほくそ笑んだ。
「じゃ、死ぬしかあるまいな」
と、その瞬間。
ミカボシの首には刀が刺さっており、そのままポリゴンとなって消えていく。私は思わず叫んでしまった。
守れなかった。ミカボシを守ることができなかった。
「これで残りはお前ひとりだのう。楽に殺されると思うなよ」
「……っちの……フだ」
「なんだと?」
私は大地を勢いよく蹴って距離を詰める。
「それはこっちのセリフだ」
私は神獣化を発動させ、威風蓋世:残夢も発動させる。
そのまま一撃いれたあとそのまま追撃を入れる。許してなるものか。ゲームですらミカボシたちを守れない。それは私が弱いだけ。そんな弱い自分に腹が立つ。
二人を傷つけないように、二人が安心して暮らせるように。私の役目はそれだけなのだ。
「なっ……!」
「もう反省した。私は絶対お前を許さない」
攻撃させないように攻撃をしていく。
アマテリウスは私の連撃を防御するので精いっぱいだ。「ちょこざいな」と口で悪態をつきながらも守ることしかできていない。
私は守りを崩す。
「このくそがぁ……!」
私は拳を振り下ろした。
その拳はアマテリウスの急所に当たる。アマテリウスの体力は一気に半分まで消し飛んだのだった。
口から血を吐くアマテリウス。
「貴様……ほんっとうにうぜえ! 目障りなんだよガキが! 消してやる! 妾の全身全霊を持ってこの世から存在ごと消してやる!」
そう叫ぶ彼女の下に黒い靄が集まっていく。
黒い靄が集まり、吹き飛ばされるような強い風が吹く。私は立っているだけで精いっぱいだった。
黒い靄が集まり、それがつまれていく。そして、風がやんだと思うと目の前にあったのはでかい男のような人間。
その男の顔は白目をむいており後ろには太陽の模型があった。
『目障りで忌々しき神の眷属……。この世界の終わりを見るがよい……』
そういうと、天から隕石が降り注いできているのが見えた。
ミーミルちゃん(怒りモード)は手を付けられないですねぇ。




