表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
身と心を焦がす戦いの鐘
413/442

どちらが優勢なの?

 アイノ……本名は南原 愛乃というらしい。

 愛乃と一緒に先生がいるといった場所に向かう。先生は誰だいと聞いてきたので友達になった愛乃と紹介しておいた。


「私が大阪のおすすめのスポットを案内いたしまーす!」


 と、愛乃が元気よく声を上げる。

 先生たちは頼もしいという顔をして愛乃を見ていた。


「でも昼ですしまずは腹ごしらえですねえ! 腹が減っては戦はできぬ! これ常識です!」

「そうだね。ほんとにおなかペコペコ」

「じゃ、まずは私がよくいく料理屋さんにいきましょ!」


 そういって案内されたのは住宅街の中にある定食屋だった。

 南原定食屋と書かれており、中はにぎわっている様子はないが、それなりにお客さんがいるようだった。

 

「ここ愛乃の家?」

「あ、わかります? おすすめは我が家なんですよ」

「ほう、こりゃまた……。私は決めたぞ。この匂いの料理であるチャーハンだ」

「早いっての……」


 私は扉を開ける。


「いらっしゃい! って愛乃かい。そちらは?」

「今日友達になった子! 旅行に来てておひるごはん困ってたから」

「旅行ならこんなちんけな料理屋じゃなくもうちょっといいところにしてあげなさい」

「えー」


 いや、ここいいな。うん、言ってはなんだがちょっとぼろい。だがこのぼろさが味があるっていうかなんて言うか。愛されてるんだなあって。

 私は早速席に着いた。メニュー表が置かれており、定食が多めだが丼物もある。親子丼、豚丼、牛丼……。いや、私は定食の気分だ。


「えっと、お水でーす! 注文決まったらまた呼んでくださいねアテナさん!」

「あいあい」


 ふーむ。

 

「私は五目チャーハン一択だ。あと餃子」

「ラーメン屋っぽい頼み方するね。うーん、じゃ、私はカニクリームコロッケ定食かなー」

「俺は豚丼だな。ガツンと行きたい」

「僕は生姜焼きでいいかな」

「それじゃ私はそんなに腹減ってないしそばでいいかな」


 みんな決まったらしく私のほうを見てくる。そんなに急かすなよ。


「決めた」


 私は両親を手伝っている愛乃を呼んだ。

 それぞれが自分の注文を言い、私の番になる。


「私はエビふりゃ」


 噛んだ。

 周りを見るとちょっと笑っているのか三日月は肩を震わせ、灘も目をつむってふふんと言っていた。木戸君はちょっと苦笑いで柊君も苦笑い。先生は困った顔をしていた。

 おいそこの二人。笑うなよ。


「エビふりゃい定食ですね!」

「…………」


 愛乃がからかってくる。恥ずかしい……。

 愛乃が注文を両親のところにもっていき数分がたった。料理が運ばれてきて、愛乃が自分の料理を持って目の前に座る。


「そういえばリーダーって今アンクロで何が起きてるか知ってます?」


 と、話を切り出してくる。


「アンクロで? さぁ。木戸君たちは知ってる?」

「いや、俺もさっぱり」

「僕もごめんね……」


 三人は情報を追ってないらしい。


「戦争だろ? 昨日掲示板で見た」

「戦争が起きてるとはねー。愛乃は参加したの?」

「一応は……。プレイヤー側はアイスマクス帝国にしか味方できないらしく、アイスマクス帝国を勝たせるのがクエストクリアっぽいんですよね」

「負けたらどうなるの?」

「さぁ……。別のクエストがワールドクエストになるのかもしれませんし一生クリアできなくなるかもしれませんね」


 思ったより事態は深刻っぽいな。


「で、どっちが今優勢?」

「えっと、バルムーント王国とバルデッハ教国連合軍が若干優勢かな……と。なんかめちゃくちゃ強化されたNPCがいるらしいんです」

「……なるほどぉ?」

「で、今なんかランキング上位のほとんどがログインしてない状況でして……。ログインしていても違う大陸にいたりとか」

「……ミーミル?」


 いや、私悪くないでしょ?

 でも上位陣が軒並みねぇ。夏休みだからだろうなぁ。私も夏休みだから旅行に来てるわけだしなぁ。


「それでミーミルさん帰るのはいつくらいになります?」

「明日だね。明日大阪駅で新幹線に乗って戻るって感じかなぁ」

「なるべく早くログインしてください! ミーミルさんが戻ってくれば士気が上がると思います!」

「やっぱ美少女はねえ、かわいい子のためには努力したいよね」

「そうです! ミーミルさん可愛いので!」

「あ、あれ? つっこまないの? 大阪人ならなんでやねん!とか」

「えっ、本当のことなんですからツッコみませんよ」


 そう正直に言われると照れる。


「ふう、ごち」


 と、灘がチャーハンを食べ終わっていた。

 私も話を切り上げ、ご飯をかっこむ。


「ごちっ!」


 私の皿は何も乗っていない状態になった。


「二人速いよ……。まだ私たちそんな食べてないのに」

「私はチャーハンだからな。すぐだ」

「灘に負けたのが悔しくて」

「もう」


 灘と私以外の四人はのんびりご飯を食べていた。

 

「午後も案内頑張ってくれよ愛乃」

「まはへへふははい」

「呑み込んでからしゃべれ」


 午後はちゃんと愛乃に案内してもらいましたとさ。

 私たちの旅行は今日でおしまいとなったのだった。












いい加減ゲームしにいこうぜ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] いい店に出会える確率って何気に微妙ですからね、ちょいと羨ましいですわ(苦笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ