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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
身と心を焦がす戦いの鐘
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夏休みはどこに行こう?

 七月ももうそろそろ後半に入り、夏休みが近づいてくる。

 現実の学校でも夏休み何するかとかいう話題でいっぱいだった。


「夏休み、みんなで旅行行かない?」


 三日月がそう切り出してくる。

 私たち三人と柊君、木戸君が私の席の周りに集まっていた。


「旅行? 構わないけどどこいくの?」

「うーん、イギリス、とか?」


 とちらりと私を見る。


「国外は高いぞ。国内にしておいたほうが無難だと思うが」

「あはは。だよねー。アテナが生まれた国を見てみたかったんだけど」


 来なくていい。

 ろくなもんじゃない。主に私が。どうせ英語しゃべれないから通訳とかやらされるんだよ。預言者ではないがそういう未来が見える見える。


「沖縄とか?」

「私は嫌だぞ。何が悲しくて暑いところにいかにゃならんのだ」

「そっか」


 柊君の案を灘が却下するが。


「沖縄、か」

「透き通るような海、白い砂浜……」

「うん、走り込みとかもできそうだ」


 灘以外は割と乗り気だった。


「沖縄かっ!? 私は嫌だぞ! 熱いのは嫌いだ!」

「一人反対意見がいるから違うとこにしよっか」


 というので沖縄もなしになった。が、日本は割と暑いしどこ行ってもそんなに変わらないんじゃないかと思うが。

 国内で行くとするとどこがいいんだろう。


「千葉はどうだ?」

「思いっきり近場だね」

「俺としては大阪でもいいな」

「兵庫!」

「鹿児島……」

「樺太だ」


 おい、灘。樺太はないだろ樺太は。どんだけ北上しようと思ってんだよ。


「アテナはどこがいい!?」

「えっ、私?」


 私に振られてしまった。

 どこがいいっていっても全部行ったことないな。この町に越してきてから遠出もしなくなったからこの町以外どこも知らないんだよなぁ。

 どこ行っても同じというかなんというか。そうだなぁ。


「心霊スポットが一番多い県にしよう」

「よし、じゃ、アテナ抜きで多数決!」

「私の何がダメだったの!?」


 いいじゃん心霊スポット。カメラもって写真を撮ると白いオーブが写ってたりとかすると怖いじゃん。灘は暑いの嫌いなんだから怖い話でも聞いて背筋を冷やせばいいのに。

 だがしかし、拒否られたのなら仕方ない。


 私抜きでどこ行くか話し始めていた。


「よし、じゃ、ここに決まりだね」

「えっと、アテナさんがまだいいって言ってませんけど……」

「だいじょぶだいじょぶ。アテナはどこでもいいから」


 勝手に決められてもいる。


「子供たちだけでいくのか? 電車とか乗るにせよ子供だけで旅行は危なくないか?」

「それ、アテナが言う?」

「えっ」


 私がそう言うとみんなに白けた目で見られていた。


「警察に勤める叔父さんから聞いたんだけどアテナさんひったくりに飛び膝蹴り食らわせたそうじゃないか」

「むしろ一番危ない人物はアテナさんだと」

「アテナが一番危険だぞ。暴力すぐに振るうし」

「やられたらやり返すようなやつが危ないって……。私たちの警護はアテナだけでも十分な気がするけど」


 ひどい言われようだ。


「まあ、でもそうだよね。大人がいないとダメか……。うちの親ついてきてくれそうにないし」

「私も店を私用で空けるわけにはな」

「私もあれだ。いつ急患くるかわからんし」


 私たち三人はそう述べる。男二人もなんだか都合が悪そうだ。


「あ、いや、うん、だいじょぶかも」


 と、柊君がつぶやいた。


「秋時雨先生なら来てくれるかも」

「えっ?」

「あの人、僕の従姉なんだ」


 今明かされた衝撃の真実。











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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] 〉「私の何がダメだったの!?」 無自覚に笑ったwwww [一言] 此処がパン子ちゃん達の母校なら美咲先生か、彼女の友人に頼めるんですがね〜
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