ひもじい、ひもじい ③
私は餓者髑髏の足をまた転ばせようと殴ろうとすると、私の目の前にずどんと足が落ちた。
その瞬間地面が揺れる。私たちは思わず転んでしまったのだった。震脚……。私は起き上がろうと床に手をつくと私の目の前に骨の手が迫ってきたのだった。
「やっべ」
私は死ぬと思い目をつむる。
「ミーミル!」
「あ、あれ?」
私は吹っ飛ばされた。壁に激突し、そのまま死を……迎えなかった。
体力が1だけ残っている。これは偶然か? 生き残れという運命か? 不死の鉢巻はもうつけてないからこんなミリ耐えするとは……。
あっ、いや、この服の効果だ。これ不死の鉢巻と同じ効果があるんだった。
「耐震耐性つけとかないとなぁ」
私はポーションを使う。
レベルが今現在150。なのだが、防御力は低い。レベルに見合わない防御力なのである。初心者よりは結構多いが、このレベルでこの紙耐久は基本いないらしい。
すると目の前の餓者髑髏が倒れた。足元を見るとクロムがやったようだ。
私は起き上がり、心臓めがけて走る。そして一撃、心臓を拳で強打。餓者髑髏はバラバラになり、そしてまた起き上がった骸骨と形成される。
「あと二回!」
「セオリー通りなら半分切ったから何か行動パターンが増えるはずだ」
「気を付ける」
私は拳を構える。
すると、餓者髑髏は頭を押さえる。頭をぶんぶん振り回していた。
「ひもじい、ひもじいぃぃいいいい!」
餓者髑髏の体から何かが飛び出してくる。
飛び出してきた闇は私とクロムをつかんだ。そのまま私たちはその闇に足を引っ張られていく。
なにかわからないがやばい。
「クロム、自力で抜け出せそう?」
「厳しい。剣で切り付けてはいるが放そうとする様子がない!」
「ちっ、このまま連れてかれるのか?」
餓者髑髏は私たちを食べようと大きく口を開けていた。
そして、そのまま私たちをパクリ。一口でおいしくいただかれてしまう。私たちは餓者髑髏の中に落ちて行った。
骨の中……とは思えない暗い闇。そして、一筋の光が差し込んでくる。
「おわっ!」
私はそのまま地面に頬りだされた。
「ったく、これで死なないっていうのもおかしいな」
こんな高所から落ちたら普通私は死ぬのだが。
と、私の手を見る。なんか骨が見えている。隣を見るとスケルトンが剣を構えていた。
「あ、あれ?」
「なるほど、状態異常だ」
「ほねー!?」
状態異常、スケルトンというものになっていた。
スケルトンの状態異常はというと、防御力、魔法防御力が1になるというもので攻撃を食らっただけで即死になる、アンデッドなので回復魔法、ポーションでダメージを受けるというようになるって説明されていた。
「……攻撃力とかは変わってないけど骨って」
「まあいいじゃないか。私はこういうお化けの役はやったことがそんなにないからな」
「美少女ミーミルちゃんの美貌が……」
「倒せば戻ってくるだろう」
「じゃ倒す!」
この私から可愛さを取りやがって! 私から可愛いを取ったら性格がいいってことしか残らないんだぞ!
私は餓者髑髏に近づき、足を大きく払う。
「転べえ!」
骨は一発で砕け、そのまま地面に倒れたのだった。クロムが心臓付近に近づき剣で切り付ける。
骨はまたバラバラになり形成されていく。
「あとラス1!」
私の攻撃力だと二発で骨を砕けるみたいだ。足の骨は。
肉体への餓え:餓者髑髏のメイン技。プレイヤー二人を強制的に捕まえスケルトン化させる。
状態異常スケルトン:防御力、魔法防御力がともに1となる。HPはそのままなのでHPがものすごく高ければHPで防御も可能。回復魔法、ポーションが一切使えない。




