レベル上げをしよう
私は拳を構える。
武器を手渡されたがそんなのは使わない。目の前にいるのはソルジャーカモノハシというモンスターだ。
私はそいつをぶん殴る。
「おお、戦闘力は悪くなさそうだな」
「さっすがぁ!」
やはり拳はいい。剣より扱える。
力が強い竜人に転生してよかったと思うよ。しゅっとパンチを繰り出しソルジャーカモノハシはどんどんポリゴンになって素材を落としていく。
レベルは3くらい上がるまでやっていた。
「このぐらいのプレイヤースキルがあるならあそこ行っても大丈夫かな」
「あそこ?」
「アソコか。アソコはレベル上げにいいが…」
だからアソコってなんだよ。
私はそう思っているとミカボシたちは移動しはじめた。
ガララ平原と呼ばれるところの隣にあるセンジュの森の中に入っていく。
「なあ、どこいくつもりだ?」
「行ってからのお楽しみ…。と言いたいところだけど下手したら死ぬから気をつけて」
「は、はあ?」
下手したら死ぬ?
そんなとこに初心者を連れて行くつもりか? いや、死ぬなら普通に手堅くソルジャーカモノハシでも倒してるんだけど…。
と、私たちは歩いていると滝の音が聞こえてくる。
流れ落ちてくる滝の音がだんだん近くなってくる。滝に向かって歩いているのか?
滝になんか…ある?
「ここよ。この滝の裏」
滝の裏?
目の前にそびえる崖の上から流れてくる水。
崖と滝の間には隙間があり、人が一人通れるくらいの隙間があった。
「この中に入るのか?」
「そう!」
そう言うので私は中に入っていく。
中はものすごく暗い。光が届かないのだろうな。だがしかし、気配がある。
なんていうか、獣がたくさんいる気配。
すると、なにかが私目掛けて突進してきた。私は突き飛ばされ洞窟の壁に当たる。
私は足を蹴り上げると、当たった感覚があり死んだと思えるような感覚がある。
すると、レベルがいきなり8になっていた。
「そこの敵、レベル高い割にすぐ死ぬの!」
「なるほど、だからか」
低レベルの攻撃一発でも死ぬ…。だけど暗いからどこにいるかが把握できない。
こりゃレベリング場所としては不向きな気もするが…。
「ま、レベル差を縮めてやらぁ!」
私は洞窟の中に入る。
敵の気配を察知しようと神経を尖らせる。気配がした方向を向き、蹴ると何かに当たるような感覚があった。
「ぶち当たったあ! この調子!」
レベルは28となっていた。
そして、新たなスキルとして"気配察知"というものを手に入れた。
このスキルは周りになにがあるかわかるようになるらしく死角になにかがいるかもわかるらしい。ただしそれが何なのかはわからないというが何かと便利そうだ。
「結構上がったしいいだろ」
素材も結構集まったしな。
私は洞窟から出ると眠そうにしているクシナダと泉で泳いでいるミカボシの姿があった。
「もういいのか?」
「もう30近いしね。数百体くらい倒したからもう飽きたよ」
洞窟の中にいるモンスターはアゲハコウモリというものらしい。
アゲハコウモリの羽や牙などの素材があったり、ドラゴンの血というものもあった。結構いいところだ。
「ここ私たちだとすぐ死ぬんだよね。暗くてなにも見えないから…」
「気配でわかるくない?」
「そんな達人みたいなことできるわけがないだろう」
そうなのか…。
私が異常なのかな。
「とりあえず今日はもう夜遅いしあとは明日にしようね」
「そうだね。ログアウトの仕方だけ教えてくれ」
私がそういうとミカボシが丁寧に教えてくれた。
「メニューを開いてログアウトって一番下にあるからそこをタッチするだけだよ。それじゃ、また明日」
「また明日、会おう。ふふふ、サラダバー!」
と、二人の姿が消える。
サラダバー?