クライミング
1945年、第二次世界大戦が終戦した日。
1999年。ノストラダムスの大予言で世界が滅ぶとされていた年。
物事には何事も始まりがあり、そして終わりがある。始まりがあるから終わりがあるのか、終わりがあるから始まるのか。どちらでも変わらないだろうが…。
だがしかし、無限に続く宇宙もいつかは終わるのかもしれない。この地球だっていつかは本当にアンゴルモアが復活し世界を滅ぼすのかもしれない。
また、地球滅亡がいつかあるように、夏休み最終日もあるのである…。
「今日が夏休み最終日だとォーー!」
私はリビングに飾ってあるカレンダーを掴み、睨む。
「嘘だろ!? オイ! 冗談だよな! まだまだ夏休みはこれからだよな!? な!? 答えろよ!」
「答えたら答えたでダメでしょ…」
「軽くホラーだからな」
と、灘と三日月がいつの間にか家に上がっていた。
「今年はただただゲームしかしてない! 海だって行ってないしプールだって行ってない! キャンプとか花火大会…はいったな。夏らしい事花火大会ぐらいしかないよ!? 家に引きこもってゲームばっかの夏休みだよ!? 思い出がぁあああ!」
流しそうめんだってしてないし線香花火もしていない。のくせに夏休みの宿題はやった…。夏休みらしいこと宿題しかないとか悲しいよ。私は。
「始まったと思ったら終わってたんだよ…。なんで私はゲームばかりしてたんだ…」
私はカレンダーを壁にかける。プール、海…。夏と言えばこれっていうことをしていない。悲しいな…。海行きたかったな…。
「で、夏休み最終日は現実で遊ぼうかと思ってきたんだけどアテナダメそうだね…」
「スポーツできる施設行くぞー。好きだろ」
「よし、行くぞてめえらぁ!」
私は二人を連れて向かうことにした。
私は今岩に掴まっている。
腕力は並大抵の女子よりはあるが男子よりは少しないぐらいだけど…。それでもこの辛さは尋常じゃなく興奮する。
「そこじゃなくて右掴んで!」
「あいさ!」
ロッククライミングをしていた。
下には講師の人がいて、私は初めてのロッククライミング。岩を模した取っ手を掴み、登っていく。なかなか辛いな。腕の筋肉だけを使うっていうのが間違いかな。
「うおっ!」
足を滑らせ、落ちそうになった。私は片手だけで取っ手を掴む。宙ぶらりんの状態になっていた。左腕の負担がすごい。
「あいつ腕の力だけで耐えてるよ…」
「これからがあいつの真骨頂だ」
としたから会話が聞こえる。
「無理そうでしたら命綱があるので手を放して飛び降りて下さーい」
「大丈夫っす! No problem!」
私は体を揺らし、ブランコの要領で揺れる。そして手を放し上にあるとっ手を掴む。今の私はゴリラだ。ゴリラの気持ちになれ…。
それにしてもこの急傾斜で腕の力だけでやるにはいかんせん腕への負担が大きいな。
「あれランジ…? あの方は本当に初心者ですか?」
「初心者ですよ。単に運動神経がめちゃくちゃいいだけで」
詳しい技とかあまりしらないので宙ぶらりんで腕の力だけで上っていこう。いいトレーニングにはなるかもな。
私は左手を放し、右手だけで懸垂する要領で上のホールドを掴む。
そして私は難なく天井に到達したので、そのまま飛び降りた。
「いよし! 攻略かんりょう!」
私は腕を回す。
「ま、明日はこれ筋肉痛だな」
「腕の力だけで上る人はいませんよ…」
「そうなんですか?」
まああれはめっちゃ腕に負担かかるしそうそうやれるもんじゃない。
「じゃ、次フットボールやる? PKできるらしいよ」
「プレイヤーキル?」
「そっちじゃないよ…。灘はゲームから離れて」
「お次はPKやろう! 私キーパーやるー!」
私たちは講師の人にお礼を言ってそのあとPKができるところに向かった。




