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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
その名もONIGOKKO
384/442

追加ルール

 現在の時刻、午後三時。

 イベントも終盤となってきていた。罠をたくさん敷き詰めたが、鬼たちも場所になれたのかプレイヤーたちを見ると追いかけて捕まえてしまう。

 私は現在のプレイヤー総数を見るとおよそ256人。あと7人捕まれば鬼たちの勝利となる数まで減っている。


「そろそろ封印エリアに行くことも視野に入れなくちゃだめだね」

「違うサーバーの奴らは行く気がなさそうだ」


 そうなのだ。みんな自分のことで手一杯なのか私が解放して以降誰かが解放したというアナウンスがない。

 それに、先ほど全サーバーでなんらかのことがあったらしい。私たちと同じような状況に。ただ、第二サーバーは天空の城だとかバリエーションが豊富だけど。


「ここから出ようにも近くに鬼がいる。出てしまったらこの場所をさらしてしまうな」

「動くに動けないよね」

「私たちが捕まったら解放エリアで他プレイヤーが解放されても私たちは解放されないみたいだからねー」


 なんとしてでも逃げ切りたい。勝ちたい。が、私たちが動くのはものすごいリスキーだ。


「あそこでミーミルちゃんと出くわしてなかったらいろいろとやりようがあったんだけどね」

「え、そうなんですか?」

「鬼に僕がどっち側か見られたっていうのが大きいね」


 作戦は私のせいで使えなくなったらしい。


「どう動くかな……。あと7人が逃げ切れば勝ち、なんだが」

「まだ二時間もあるのに7人捕まらないっていうのは無理があるね。こっちのサーバーでもあと僕たち含めて5人しかいないのに」


 モニターで確認できる逃走プレイヤーは二人。

 ほかは捕まってしまっていた。数が少ない分出くわしにくいだろうが、この二人が捕まってしまったら私たちが動かなくちゃいけなくなる。

 それはどうにかしたい。


「……私がやるしかないか」

「やるって、なにを?」

「解放」


 この人数だと心もとない。

 多分このままいくと負けるのだ。このサーバーが捕まった人数が多いということは他サーバーは割といるということだ。捕まる可能性も増える。

 だから誰かしらが動かないといけない。封印エリアは鬼が厳重に守るので捕まるリスクを冒してまで行く人はいないのだろう。


「一人で行けるのか?」

「わかんね。一回解放してるから私は本当に警戒されるだろうね。警戒されてると成功率はもう低いよ」

「他サーバー人が動くのを待っていよう。成功率低いことはするものじゃない。もしものためにとっておけ」

「……わかった」


 勝負は本気で勝ちに行くのが私。だけど動けないというのはつらい。

 勝つためにはどうしたらいいのか。捕まったプレイヤーの解放は絶対の条件だ。どのタイミングで開放するかにもよるが……。

 終わり際に解放されたら鬼は繊維を失うだろう。


 と、その時私たちの動きが強制的に止められる。


 目の前にモニターが現れた。


《はいはーい。運営でーす》


 と、陽気に挨拶をする。


《追加ルールがあります。これは逃走プレイヤーの心をちょっとだけ傷つけるかもしれないんだけど、午後3時半になったら捕まったプレイヤーの封印を解くことができなくなります。終わり際に解放してしまえばいいとか思ってるでしょ? それだと鬼に不公平だからそういうことになりまーす!》


 といってモニターが消えた。

 追加ルールここで来るか……。ここで来たということは急に決まったのだろう。三時半まであと二十五分くらい。

 時間がないということだ。今動く決断をしなければ間に合わない。


「パンドラさんたちとか参加してないかな」

「……あの人たちかい?」

「あの人たちが動くなら信じてみるし、動かないなら私が行くしかない」


 私はすぐにメッセージを送った。










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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] どうかな? パン子ちゃんって味方と思わせてって得意だし強力だけど…
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