ONIGOKKKOは悪の総統の手で
オルタナさんたちとも合流し、砂漠をただ歩いていた。
鬼が来る様子もなく、ただただひたすら砂の上を歩く。
「なんか本当にただ鬼ごっこだな。もうちょいなんかあると思ってたのだが」
「うーん。たしかに。エリアが広いこと以外は全部ふつーだからね」
たしかに。
もうちょいなにかないのだろうか。こんなイベントは割とつまらないという声も多そうなのだが。私はそう思い名が歩いていると。
「おわっ」
何かに引っかかって転んでしまう。
そして、手を地面に着いた瞬間、私の手が砂にめり込んだ。
「大丈夫か?」
「うん、だいじょ」
カチリ。
「「「カチリ???」」」
突如なった何かが押される音。
何かを押した感覚が手にあった。すると、地響きが聞こえ、地面が揺れる。ゴゴゴゴゴゴゴと私たちがたっている地面がせりあがっていった。
「な、なな、なにこれぇ!?」
「敵か!?」
「これ飛び降りれるかな……」
盛り上がった地面はおよそ10mだろう。本当に高い。だが、もっと高くなっていっている。砂がどんどんはがれていき、私たちはその姿に思わず驚いてしまう。
「何このスフィンクス……」
「超でかいな」
スフィンクスがでてきた。
私たちはスフィンクスの顔の上に乗っかっており、顔だけでも高さ30mはあるだろう。それに、奥行きもすごい。
思わぬ出現に私たちは言葉が出なかった。
すると、私たちがたっていた地面がパカっと開く。私たちはそのスフィンクスの中に落とされると、なにやらたくさんの画面が付いた部屋だった。
カメラ? 監視カメラみたいな感じ。監視カメラのモニターが置かれてる部屋という感じか?
「なにこれ……」
「なんだこれ……」
「なんなんだこれ……」
《第一サーバーにて超巨大スフィンクス迷路が出現いたしました》
《攻略できた鬼側プレイヤーはそこにいるプレイヤーを強制的に確保でき、二度と封印が解かれません》
《スフィンクス迷路を出現させた逃走プレイヤーは罠を張り攻略を妨害してくださいませ》
《なお、攻略には時間がかかるでしょう》
《逃走プレイヤー、鬼プレイヤーはその迷宮に送られます》
《迷路の地図をお渡しいたします》
《なお起動プレイヤーがいる部屋は逃走プレイヤーのみ地図に記されます》
《逃走プレイヤーは起動プレイヤーの部屋には入れません》
とアナウンスが。モニターのほうを見ると鬼であるミカボシたちの姿もあり、青い装備を着た人もいた。
私たちに地図が配られ、封印エリアもちゃんとあり、割とこの迷宮は広い。
「起動プレイヤーって俺たち、だよな?」
「わなを仕掛けるボタンがあるね。これは鬼にだけ効くみたいだ」
「設置戸数も限られるみたいだね」
罠というボタンの横には20という数字が。設置できる限界なのだろう。
この広い迷宮、この膨大なモニター。全部みはるのはつらい。私たち三人がわなを仕掛け捕まらないようにしなくてはならないらしい。
「……なんかちょっとわくわくしてきたね」
「なんか衣装がある! これ着てみたい!」
「三人分あるな……。世界観があわねえ」
入っていた衣装は秘密結社の総統が着るような服とマント。科学者が着るような白衣。幹部が着るような大きな鎧だった。
これはどうやら装備らしく、審美眼で見てみると装備の名前が表示される。
「私これがいい! 総統のマントとスカーフと衣装!」
「じゃ、僕は白衣かな」
「鎧で我慢しよう」
私は早速装備してみた。
深緑色でボタンが六つ。赤と黒のスカーフを首に巻き、深緑の軍帽をかぶる。そして私は椅子に座り、椅子を回転させて二人を見る。
「おー、様になってるね」
「悪の総統様だな」
「こういうのって心くすぐるよね」
私は肘掛に肘をつく。
「これれっきとした装備だな……。俺のは防御力が+50されるわりと強い装備だ」
「こっちは魔力が上がる白衣みたいだね」
「私のは身に着けてるといいことがあるって説明だから幸運が上がる帽子のと、素早さが上がるスカーフと、攻撃すると10%の確率で相手を少しの間動けなくさせる総統マントっていうやつと、不死のハチマキと同じ効果の服だね」
「すごい盛りだくさんだな。全部違う装備なのか?」
「うん。道着の効果とかはなくなるけどつかってないようなもんだったし気にしなくてもいいならこれでもよさそう」
「そうだな。それも十分強そうだ」
ふっふっふ。こういう悪の総統という役は燃えるね。
「じゃ、鬼ごっこ再び開始だぁ!」
軍人が着る服が好みすぎて……




