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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
永久凍土の大地にて
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ハンバーガー屋での出会い

 ゲームをログアウトして私は昼食のために近くのファストフード店に来ていた。

 ハンバーガー屋で全国展開もしている有名チェーン店。蕎麦屋ほどじゃないが近くにあるのでジャンキーなものを食いたいときに利用している。

 私はチーズバーガーを5個にビッグナック3個注文する。


「やっぱ昼は腹減るなあ」


 私がそうつぶやいた時だった。

 小さい子が横からぶつかってきたかと思うと、ジュースがパシャとこぼれ、私の服めがけて飛んできたのだった。

 私の白い服がオレンジ色に染まっていく。


「あっ……」

「こ、こら。走るなって言っただろ」


 と、そのお兄さんだろう人が来た。

 見覚えがあるっていうかクラスメイトの人だ。木戸君ではない。


 北条ほうじょう天斗たかとっていうクラスで端っこで一人本を読んでいるような人。言っては悪いのだが根暗という印象がある。話してもきょどるらしい。話したことはないが。


「よう、北条君」

「あ、ああ、アテナさん……。あっ服!」

「オレンジ色に染まったねぇ。だいじょーぶだいじょーぶ」


 私はそういうが。


「ご、ごめん。俺の妹が……。ほら、美奈。謝りなさい」

「ご、ごめんなさい……」

「気にすんなよ。あ、すいませーん。オレンジジュース追加で」


 私はこぼしてしまったこの子のジュースを買ってあげることにした。

 この年頃の子ははしゃいでも仕方ないからな。私もたまにはしゃぐけど。


「その、服ごめん」

「ん? ああ、いいよいいよ。これ安物だし着るの楽だったから選んだだけだしねぇ」


 ただ真っ白だった服がオレンジジュースのせいでオレンジに染まった。早く洗濯しないとこの汚れは落ちないだろうなぁなんてのんきに考える。


「えっと、チーズバーガー5個にビッグナック3個です。ありがとうございます」


 私はハンバーガーがたくさん載ったお盆を受け取り、席に向かうことにした。


「一緒に食べよっか。北条君」

「あ、えっと、すまん」







 席に座り、私はチーズバーガーにかぶりつく。

 チーズうまいなあ。チーズバーガーがハンバーガーの中で最強まであるな。これはおいしい。私はもぐもぐとハンバーガーを咀嚼する。対する北条君はバツが悪そうな顔をして、妹の美奈ちゃんは笑顔でハンバーガーを食べていた。


「ほらほら、そんな辛気臭い顔してたらおいしいハンバーガーがおいしくなくなるよ」

「あ、うん」


 もぐもぐ。


「その、服弁償するよ……」

「弁償? いいよいいよ。服はまだたくさんあるから」

「でも……」

「なにかしたいんならそうだなぁ」


 私は口の中のハンバーガーを飲み込む。


「美奈ちゃんにでもなんか買ってあげなよ」

「えっそれじゃアテナさんには」

「私大して物欲とかないしファッションにも無頓着だから別にいいんだよね。あ、いやしてほしいことがあるかも」

「してほしいこと?」

「国語を教えてください」


 そういえばなんだけど私だけテストをするらしい。

 私が休学していたときに前項学力テストというものをやったらしく私だけそれをやってないのでやることになったのだ。

 その中にはもちろん国語もある。国語は苦手なのだ。


「そ、それぐらいならいいけど」

「ほんと!? じゃあ今日やろう! 代わりに英語は教えてあげるからね!」

「あ、ありがとう」

「よっし、じゃ、早く食べて北条君の家でやろうか!」


 私はハンバーガーを早く食べ進めるのだった。












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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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