ミーミルのスノボ遊び
冬といえばのスポーツはなんだろうか。
それはスノボである。
「いぃぃやっほぉぉう!」
私はボードで高くジャンプをした。
アイスマクス帝国ではウィンタースポーツも盛んであり、スキーやスノボができる山があった。魔法で動くリフトに乗り山頂に行って上級者コースと下級コースがあるという。このウィンタースポーツができる山ではゲーム補正などは一切なく、自分の運動神経によるらしい。
ここでは一切魔物が出ないとか。
「冬にやりそびれたスノボだぜい!」
「やっぱスキーよりかっこいいなあ。私スキーで精いっぱいだよ」
リフトのところでミカボシがそう話していた。
私とドラゴがスノボ、クロムとミカボシがスキー。クシナダがそりだ。クシナダはスキーもスノボもできないのでそり。
「私だけすげーかっこ悪いぞ……」
「クシナダってまぁ運動神経がね……」
「ミーミルのを少しよこせ!」
「むーりー」
私たちはリフトに乗る。
私の横にはクロムが乗り、ミカボシの横にはクシナダ。ドラゴは一人で乗っている。女四人に男一人って割とハーレムじゃんよかったねドラゴ。
「まぁ関東だとめったに雪は降らないから仕方ないだろう。できないのもうなずける」
「いや、クロム。クシナダはたぶん新潟とか北海道で生まれててもできないよ。あれの運動神経はなめちゃいけない」
クシナダはマジで運動ができないのだ。跳び箱だって一段だけでも飛べないし後転もできないくらいには運動神経がない。
運動ができないんなら勉強はと思うが勉強もそこそこできない部類に入る。
「ゲーム補正がかからないとマジで運動はできないよ」
「そこまでか……」
私とクシナダは割と対照的な存在だ。私は運動神経は自慢じゃないが超よくて勉強もそこそこできる部類だ。国語だけはできないがそれ以外ならおおむね高得点は狙えるくらいには高スペックだ。
「リフトの最後が見えてきたな。次は上級行くのか?」
「上級も簡単そうだから私はシークレットコース行くよ」
シークレットコース。
いうならば整備されてないところのようなものだ。木が生えている中を滑りいくという。ちゃんとコースなのだが挑む場合は自己責任だということだ。
「ほいじゃいくかぁ!」
私はシークレットコースの中に入っていく。
そして滑り出す。木が邪魔でまっすぐ滑ることはまず不可能だ。それに結構な急斜面なのでスピードが割と出る。
だがこの程度のスピードはいつものミーミルちゃんより遅いぜ。
「ふうぅぅぅ!」
テンション上がるぅー! テンション爆上げだぜ!
とその時だった。
突如目の前に急に大きな男が現れた。男というかゴリラ? 毛むくじゃらで……。というか止まれねえ、ぶつかる!
私は体勢を無理やり変え、男にぶつからないように軌道を変える。
積もっていた雪に勢いよく突っ込んだ。
「ぶほっ」
私はユキから顔を出すと。
「ダイジョウブカ」
そう言って毛むくじゃらの男は手を差し伸べてきて……。




