表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
永久凍土の大地にて
345/442

マウスシック・コンテージョン ①

 とりあえず今日ミカボシに付き合えと言われたので拠点に戻った。

 ミカボシは先ほどログインしたばかりで、クシナダは何か錬金術で作っているようだった。


「付き合ってほしいのはこの依頼なんだよ」


 と、見せてくるのはある一つの依頼書だった。

 森の木の枝拾いという簡単そうなもの。一人でできないのだろうかとも思うが、説明文を見て何かを察してしまった。

 というのも、何か黒い影が通りかかるのを見たので怖くて行けないという旨。つまり隠しボスということだ。ヴァイツダスタードラゴンのような。


「私一人でやるの?」

「いや、クロムと私とミーミルが戦う感じかな。クシナダは支援に徹してもらう」

「なるほど、その下準備……」


 ポーションとかを大量に作っているのだろう。

 それにしても木の枝拾いでの黒い影か。どんなモンスターかも明言されてないのが不安だがいけるだろうか。

 あの時はまだ始めたてだったとはいえヴァイツダスタードラゴンにはめっちゃ苦戦したのに。


「ヴァイツダスタードラゴンみたいな強さは御免こうむりたいな」

「あれは本当にきつかったよね」

「待たせたな」


 とクロムがログインするのだった。


「おっし、じゃ、そろったからやりますか!」


 そう言って私たちは拠点を出て帝都東の森に向かう。

 除雪もされてない森の中は私の膝くらいまで雪が積もっている。歩きづらい分少し素早さが落ちそう……。遠距離を主体にして戦ったほうがいいかもしれないな。


「ここが依頼に指定されてあった場所だね。とりあえずガムールの木の枝を拾おうか」


 そうミカボシが言うので私は近くにあった木の枝を拾う。

 審美眼で見てみると素材として使えるらしく、これで状態異常を治す漢方ができるということだ。


 ほえーと感心していると気配察知に何かが引っ掛かった。


「来たぞ」

「もはや? じゃ、みんな武器を構えて」


 私はこぶしを構える。

 すると、気配は上のほうに行った。木を上ったということだろう。私が上を向くとその魔物の姿が見えた。

 その魔物はジャンプしたかと思うと、こちらに向かって落ちてくる。


「ね、ねずみだ!」

「そう悠長にしてられないぞ。よけろミカボシ!」

「おっけ……」


 その時だった。

 ミカボシはよけようとして足を動かしたが膝から崩れ落ちる。


「あ、あれ? 体が重い……。うまく体が動かない……?」

「チュチュウ!」


 ミカボシがそう言ったので私はミカボシを審美眼で見てみる。

 

《状態異常:病気》


 と表示されていたのだった。

 状態異常を振りまく? 私は何ともないが。周りはなんだか辛そうだった。ミカボシとクシナダ、クロムは体が重く感じているらしい。


「このネズミのせいか! ペストを思い出すな」


 ネズミがペストの菌を運んで感染させていく……。ネズミというのはやはり害獣なのだ。ハムスターは可愛いのにな。

 だけど何で私だけかからないんだろう? 


「躱せない……」


 そういってミカボシはネズミのフライングプレスをもろに受けたのだった。ミカボシがポリゴンとなって消えていく。

 あの防御力が私よりもものすごく高いミカボシが死ぬのだから相当な威力だったはずだ。一撃必殺技とみて間違いないだろう。


「クシナダ、サブリーダーとして指示を出せ。私はその通りにする」

「ミーミル、ひとりで行けるか」

「やってみないことには」

「行けるところまで頑張ろう。クロムと私はそんなに動けないみたいだ。何でミーミルはかからないのかはわからんがな」


 とクシナダがそう言うので私は頑張ることにします。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ