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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
永久凍土の大地にて
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ドラゴの武器選び

 厄介だった初心者狩りを成敗してようやく武器屋にこれた。

 来た武器屋は私がお世話になったプレイヤーであるユーナが経営する武器屋。夜遅く来たが彼女はまだログインしてるようで、私が入ってきたのを見るとなんか嬉しそうにやってくる。


「久しぶりー! 二回目の来店ありがとー!」

「あー、そういえば来てなかったね。そんな武器使ってないから来る理由がないのかも」

「理由なくてもきてよ! 歓迎するからさ」

「あはは。わかったよ。で、今日来た理由なんだけど」

「うん?」

「この初心者の武器を買いに来たんだよ」


 と、ドラゴを指さす。


「うわ、すっごいイケメン……」


 彼女はドラゴの顔に見惚れていたのだった。


「彼氏?」

「ち、ちがっ……!」


 と顔を赤くして否定するドラゴ。そんな強く否定しなくても。割と私はドラゴ好きだよ? 紳士的だし何かに打ち込めるのはすごいし。彼氏にしてもいいくらい。なんてね。

 私はまだだれかと付き合うなんて考えたこともないな。


「ははは、ま、個人間のことは詮索しないのがマナーだね。いらっしゃい。お兄さん職業は?」

「あ、えっと、騎士を選択した」

「となると剣、槍、斧だね。どれを使ってみたい? 試運転もできるよ」

「試運転?」


 私が来たときはしたことなかったが。


「つい先日始めてみたんだ。ここって初心者が多いでしょ? となると自分に合う武器を探さないといけないわけで、買って使って違うって思ったら嫌じゃん? だから自分に合う武器を探すために試運転を始めたんだ。ちゃんと店の奥にそのスペースを作ってあるからためしに振ってみるといいよ」


 そう説明されるとドラゴはそうしてみるといってユーナと一緒に店の奥に向かったのだった。私はここに残って武器を眺めることにした。

 ユーナは店の店長兼生産シャン立ち位置らしく店にはユーナ作の武器が並べられている。割と高品質のものばかりで、ユーナの生産職としての腕前は悪くなさそうだ。


「生産職といえば防具を扱う生産職の知り合いとかいないな。ドラゴに防具も買わせたかったんだが」


 私のゲーム内での知り合いの少なさに笑うしかない。

 フレンドだけでも割と数えるくらいしかいない。ミカボシ、クシナダ、クロム、オルタナさんデコイさん、フー、リオン、ユーナにテイマーギルドリーダーのユーミール。パンドラさんにワグマさん、ビャクロさんぐらいじゃないだろうか。あと柊もいたな。本当に少なすぎる。とっぷプレイヤーならもっと知り合いいそうなもんだが……。


「しょうがない、防具を作ってくれる生産職人と友達になろう」


 生産職で有名な人がいいな。その人がいれば割と信頼できそうな気がする。


 私がそう考えているうちに試運転は終わったのかドラゴたちが戻ってきた。


「ドラゴは武器何にするの?」

「扱いやすいのはやっぱ剣だったから剣にする予定だ。その、いいのはあるだろうか」

「ふっふっふ。任せなさい! これなんかどうかな?」


 取り出したのは鉄の剣のようなものだった。審美眼で見てみると鋼鉄の剣というもので最高品質のもの。重さは割とあるが攻撃力も序盤武器にしてはなかなかあるので断る理由もないだろう。私から見ても割といいものだ。


「え、えっと、いくらだ?」

「そうだなぁ。本来は3000ギンくらいはとりたいけどドラゴさんそんなにもってないでしょ? 防具もそろってないからそれを踏まえると……500ギンでいいよ。大赤字だもってけドロボー!」

「ほんとにいいの?」

「とっぷプレイヤーでかわいいミーミルちゃんのフレンドだから友達価格ってことで」


 優しい。日本はやっぱ人情の国だなぁ。


「ま、うちをごひいきにっていう裏もあるけど」

「ま、そうだよね」

「だが500で売ってくれるのは助かる。ありがとう」

「いいよいいよ」


 あ、そうだ。生産職としての腕がいいっていうことだったな。


「あ、これなんかに加工できたりする?」


 私はおもむろにフェンリルの心玉を取り出すと。


「うそ、ミーミルちゃんこれどこで手に入れたの!?」


 と、目をまん丸くして驚いていたのだった。










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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] そう言えば此の人もアイテムも忘れてたwwww
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