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バレンタインイベントがあるらしい。関係ないけど。

 意気揚々とした気分でゲームにログインすると運営から通知が来ていた。

 バレンタインイベントが今日あるらしく、参加するかしないかというものだったが私は不参加を選ぶ。だってなんか今日そんな気分じゃないんだもん。

 ロボットの話をして以降、ちょっと熱を持ってしまった。ロボットは作れないだろうが飛行艇なら作れる。飛行艇だって立派な乗り物じゃないかぁ……。


 と思っているとミカボシからフレンドメッセージが届く。


『ねえ、バレンタインイベントだけ参加しようよ!』


 というメッセージだった。

 なんでと聞くとすぐに返信が返ってくる。


『有名なアイドルちゃんが来るらしいの! その子からチョコをもらえるんだって! 行くしかないよね! アイドルだよアイドル!』


 アイドルかぁ。アイドルって聞いてもそこまで熱持たないなぁ。

 アイドルって言ってもちっちちゃんにはそこまで興味示してないくせに……。ちっちちゃんだってアイドルっつってただろ。

 そして学校のアイドルでもある私にそこまで熱狂してないくせに。


 私はいち早く飛行艇を完成させたいとメッセージを送る。  

 飛行艇というのはゲームにもなににも登場するものだ。ロマンがあるよね。ラピ〇タの大佐が乗ってるようなあんな戦艦も好きだし宇宙戦艦ヤ〇トも割と燃える。


『うぅ……』


 それに今日昼休みに割とチョコもらったしな。女の子から……。明らかにハート形もあったが美味しくいただいた。義理だよね。義理だよ。話したこともない子だったし友チョコ。全人類友達だから友チョコ。


『そういえばもらってたね……。チョコ飽きた?』


 正直飽きた。なんか口の中が甘くなりすぎたから紅茶で流し込んだもん。


『じゃあクシナダ誘ってみるよ……』


 といって通知が途切れる。

 私はメニューを閉じ、馬にまたがり魔王城に向かった。





 私は馬を走らせながら考えてみる。

 アイドルからチョコをもらうだけのイベントってありなのだろうか。まぁ、なんか隠してることはありそうだが……。参加してない私には関係ないということなのだろう。

 

 と、アイドルチョコ手渡し会という運営からのメッセージが届く。

 どうやら映像で見させてくれるようで私は見ながら馬を走らせることにした。


『どうもー! みんなのアイドル、ちっちちゃんだよー!』


 ちっちちゃんか。有名って言ってたもんな。

 ちっちちゃんが自己紹介をするとプレイヤーたちが沸き上がる。


『えーっと、私もアイドルです。ドリムドリカムというグループから来ました、花園 真衣まいっていいます』

『知ってるぞー!』

『今日もかわいいねー!』


 会場は熱狂に包まれてる。

 他のアイドルの自己紹介もしてその都度沸き上がる。人気アイドルばっかってところか。ただ、女性アイドルじゃなくて男性アイドルもいるらしい。

 女性も参加するということで男性も用意したのだろうか。


『チョコをもらえる、そういうことなのですが、説明にも合った通り、このチョコは抽選で渡ります! この人数を手渡しするのはこの皆様が疲れてしまいますからね!』

『しかたない。それはしかたないさ』

『アイドルも人間ではある。選ばれなかったら運が悪かった、神様に見放されたということでござる……』

『運命の女神様……我に力を!』


 と、アイドルファンたちの声も届けてくれた。

 そこまでか? あとミカボシが何で私を誘ったかわかったわ。これのせいか。抽選で私の運にあやかるつもりだったな?

 悪いな。私は不参加だ。頑張ってくれたまへ。


『じゃ、私からくじを引きますねー! 説明しておくと一人だけじゃないですよー! さすがに一人だけだと確率が確立だからねー。私が十人、他の人も十人手渡しまーす。女性アイドルが五人いるので五十人はチョコをもらえますから! ま、それもそれで確率低いんですけどね!』

『そうだねー。結構な数の人参加してくれてるもんねー』

『ちっちちゃんのファンの人だったり真衣ちゃんだったり私のだったりいろんなファンの人がたくさん来てくれてますからねぇ』

『ファンといえばなんですけどちっちちゃん好きな人出来たんだって?』


 そう質問が飛ぶ。アイドルとしていいのだろうか。

 だがその恋はファンの間では知られているらしい。


『えっと、出来たんだけど見向きもしてもらえてなくて……。一方的な思いで……』

『健気ー! ちなみに惚れた理由は?』

『危ないところを助けてくれたんです!』


 確かに助けたけども。


『かっこいい女性なんですよー』

『百合の間に男はいらぬ……。だが、百合は見たいから応援するぞ我らちっちちゃんファンクラブ!』


「かっこいいじゃない、可愛いな」


『このバレンタインイベントに参加してくれてるといいんですが……。多分来てないと思うんですよ!』

『今その子魔王城付近にいますよ』


 おい、今の声ミカボシだったろ。

 断られた腹いせか? っていうかなんでマイクミカボシの声拾ってんだ。


『まじで!? 会いにこう! 早く会いたいからくじ早速引いちゃおー! もちろんファンの皆様にも愛も込めてチョコを渡しますからね!』


 早くこの場から逃げたい……。絶対来るやん。もう予告されたやん。

 私はミカボシに恨み節を送る。


『その子私がばらしたことで恨み節を送ってきました!』

『かわいい』

『涙目で書いてそう。萌える』

『よかったじゃん。見てくれてるよ!』


 頭痛い。











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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
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[気になる点] 可愛いんだろうけど……………涙目? [一言] 公開羞恥刑とか憐れな(汗)
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