同級生と遭遇 ②
ハイドは後ろでつまらなさそうに欠伸をしている。
「これって神獣だよね? なんでミーミルさんが?」
「ん、テイムしたからね」
「「「「テイム!?」」」」
そう言うと四人は驚いていた。
まあ、知らない人も多いだろう。ジキルタイガー…神獣をテイムできること。たぶん条件が必要なだけでテイムはできるのだ。
「テイムってどうやるの!? 神獣をテイムできるなんて知らなかった!」
「秘密。ま、でも結構むずいんでやるにも覚悟が必要ですかね」
テイムするには命をかけなくちゃならない。
あれは並大抵の人にできるとは思えないからな。私はぎりぎりで来たって感じであれはもう二度とやりたくない。
未だに低レベルだしな。私。まだ50にもいってない。
「乗ってみる? ユキトくん」
「いいの?」
「いいよ。ハイドはちょっと嫌がるかもしれないけど」
私はハイドにユキトも乗せていいか聞くとハイドは少し考えてガルとうなずいた。
私はハイドの背中に乗り、ユキトを引っ張り上げる。お姉さんたちはちょっとごめんね。同級生だからちょっと贔屓するだけだから。
だがしかし、お姉さんたちはそのハイドのデカさに気を取られているようだ。
「ハイド、Go!」
そういうと、ハイドは走り出す。木々が道を避けていき、一直線に走る。
「す、すごい! 木が避けてる!」
「ハイドの特殊能力だと思うんだよね…」
「わからないの?」
「すべて把握してない」
ハイドが何できるかも私はわからない。木が避けていくというのは体験したが、あそこの森だけだと思っていた。
ハイドが意気揚々に走るが、私以外を乗せてるからか少しご不満?
「ハイド、Stop」
そういうとハイドは止まる。
「さて、ユキトくんのお姉ちゃんのところに戻りますか」
「う、うん」
ハイドは後ろを振り向き、また走り出す。
ユキトくんは嬉しそうに毛に掴まっている。こいつ動物好きなんだなと思いつつ、前を見るともう三人のところについた。
ハイドは止まり、かがむ。ユキトは名残惜しそうに降りたのだった。
「それじゃ、私戻るからね」
「あ、うん。そ、その前にフレンド申請してもいい?」
「構わないよー」
と、ユキトからフレンド申請が届いたアナウンスが来る。
私は承認してあげた。
「それじゃ、また学校でねー!」
私はハイドにまたがり、走り去ったのだった。
ハイドは先ほどとは違い嬉しそうに走る。ハイドはまだ私以外はあまり好きじゃないようだな。ミカボシとクシナダは乗せてあげたかったが嫌がるようなら乗せれないかな。
ハイドが嫌がるともしかしたらテイム解除されるかもしれないし。ミカボシとクシナダも接触させて懐かせるしかないか。
ユキトくん乗せるの嫌がってたもんな。
「So Cool! めっちゃかっこいいよハイド!」
「ガル!」
褒めるとスピードアップする。嬉しくて張り切るんだろうなと思いながらも、私はどうやったらハイドに懐かれるのかを考えてみよう。
やっぱり餌付けが一番か?
「なあハイド」
「ガル?」
「うちの仲間にさ、ミカボシとクシナダってやつがいるんだよね」
「ガル」
「そいつらも乗せていい、かな?」
「ガルゥ…」
ちょっと嫌そうな声だ。
「わかった。じゃ、ひとまずは私だけってことにするよ」
「ガル!」
あまり人を信用しないみたいだ。
神獣は多分みんなそうなのかもしれないな。信用している人以外は乗せたくないという。なるほどなぁ。ま、当然っちゃ当然かもしれないな。
「ま、しばらくは私一人にするけどのちのちの事も考えなくちゃな…」
もし三人で遠出するとなったらどうするのか。
早くつきたい私はハイドを使っていきたいがそれだと二人が到着するまで結構かかりそうだしな。二人も乗せられたらいいんだけど…。
「…ま、後のこと考えるのはいいや」
私は考えるのを辞めた。




