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アンダーワールドクロニクル  作者: 鳩胸 ぽっぽ
私たちの歴史の始まり
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恨みを買う人

今日はある人たちが登場します。

 翌日。私はとりあえず図書館に来ていた。

 図書館は結構な数のプレイヤーがいて、本をそれぞれ読んでいる。私はとりあえず神獣に関しての本を手に取ろうとすると、誰かもそれを狙っていたようだった。


「ソーリー」

「あ、すんません…」


 その時だった。

 その女の人の隣に男性が立ち、ナイフを突き立てている。女の人は動じず、そのまま動かない。


「てめえ、あの時はよくも…」

「…もとはと言えばPKしようとしたあんたが悪いんでしょ?」


 と、いうと男は声を上げる。

 本棚の影から複数人のプレイヤーが現れた。私も囲まれてしまっており、通してくれるという雰囲気でもなさそうだ。

 この人どんだけ恨み買ってるの?


「今はあのビャクロとか言う化け物はいない! かかれ!」

「…えっと、ユー、ヘルプミー」


 と片言の英語で助けを求めてくる。

 仕方ないな。戦闘状態になってしまったしな。私はとりあえず闇の二面性を発動し、男たちを吹っ飛ばした。

 

 男たちは驚いているがすぐに剣で切りつけようとしてくる。私はとりあえず全員ぶん殴っておいた。

 戦闘が終わり、流星武闘が解除されたので闇の二面性を解く。


「正当防衛…だよな。うん。私だって襲われそうになったんだ。うんうん」

「サンキュー。えっと、ゴー、マイチームホーム」


 と、どうやら拠点に来いと言いたいらしい。

 いいことをするとお礼がもらえるっていうこともあるからな。いいことをした気がする。私は言われるがままについていく。

 すると、大人の女性三人が集まった家に案内された。ここがチームの拠点らしい。


「ディス、マイ、チームホーム」

「無理な英語はいいですよ。日本語喋れますから」

「そうなの?」

「日本にはもう五年住んでるんで」

「結構住んでるね。お礼したいから入って」


 というので私は中に入っていく。

 中は普通の一軒家って言う感じで、リビングにキッチンというなんか一般家庭の家をそのままゲーム内に寄越したって言う感じだ。


「ワグマー、ビャクロー。お客さん」

「依頼人?」

「違う違う。助けられた」

「助けられたって…また襲われたの?」


 また?


「一回じゃないのかよ…」


 でもこんなに人当たりがいい人がそんなに恨みを買うの?

 人身売買とかでもやってるん?


「えーっと、改めて。私はチーム魔王軍で参謀をやってるパンドラ」

「あら、外国人じゃない。マイネームイズワグマ。アイムリーダー」

「えっと、ワタシノナマエハ、ビャクロダ」


 ただ片言で喋ったら英語ってわけじゃないんだけど。ビャクロさん英語喋る努力をしようか…。


「日本語で大丈夫ですよ。わかりますから」

「そう? 私はワグマ。こっちがビャクロ。で、助けられたって?」

「図書館で前にPKしようとしてきた奴に会ってさ。殺されそうになったんだよね。一人ならまだしも複数人で来たからさ」

「あー…。でもよく勝てたわね。その子まだレベル30よ?」

「えっ、マジ?」


 そういやレベル上げとかしてないな。

 昨日鎧を倒したとかそれぐらいだ。


「スキルのおかげですよ。で、魔王軍ってランクとかって?」

「一応Aランクにいるわ。ランキングも13位くらい」


 意外と高かった。

 三人だけのチームに見えるし三人でも十分にやれるな。なら私たちも大丈夫そうだ。


「チームに入りたいの?」

「あー、いや、私もチームに入ってるんで」

「へぇ、どんなチーム?」

「アマノイワトです」


 そういうと三人の視線が変わった。


「アマノイワトって急にランキングがあがってきた…。あそこの?」

「掲示板では不正したとかチートだとか言っていたけどほんと?」


 チートって言われてるんだ。


「いや、チートはできないはずよ。どんな方法を使ったの?」

「ん、いや、単にジキルタイガーをテイムしただけです」

「あれってテイムできるのか…」

「さんざんやったけどテイムできなかったはずだな。どういうことなんだ?」


 三人に方法を説明する。三人はなるほどといったように息を吐いた。

 あそこまであがったのは単にジキルタイガーのおかげでもあるからだ。神獣をテイムしたということが大きなアドバンテージとなり、私たちはランクが上がったまで。


「でもあの攻撃躱すのはきつくない? ビャクロですらギリできたくらいなのに」

「私もギリできましたよ。やけくそで攻撃したら認められたんです」

「やけくそ…」


 ま、案外どうにでもなるのだ。


「とりあえずチームメンバー待ってるんでお礼なら早くもらいたいです」

「あ、そ、そうね。パンドラ」

「うん、今持ってくる」


 パンドラさんは二階に上がっていく。

 そして持ってきたのは虹色に輝くナイフ。前にスキルを…。


「前にスキル屋で買って使わないで置いたままのナイフだけどごめんね」

「いいっすよ。それじゃ…」

「あ、待ってくれる? 私フレンド交換しておくわ。たまには協力し合いましょう」


 といってワグマさんからフレンド申請が届いた。ビャクロさんからも届いて、私は二人を承認しておく。


「困ったら呼んでもいいわよ」

「まー、困ったら呼びますね」


 ジキルタイガーもいるから困ることはそれほどなさそうだけど。



















ま、言っちゃうと前作と一応は繋がってるんですね。

悪の魔王の作り方の二年後…ですね。

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] またパンドラがいる。悪の魔王も、精霊王みたいに番外編来ないかな。
[良い点] おぉー、パンドラ達だー。 相も変わらず、パンドラは恨みを買いますな〜。 こう考えると、単純にビャクロが2人居ると言う事か……普通に強いですわ。
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