女の子らしいって…
探し回ること一時間。
階段らしきものは見つからない。一時間もくまなく探していて見つからないなんてことはあり得るのだろうか?
特定の敵を倒さなくちゃならないのか? それか、階段に通じる仕組みをまだ解いてないというのか? わからない。
「こういう謎解き系はニガテなんだよ……」
私はとりあえず王城の廊下を突っ走る。
「こう無暗に走っていてもただ体力使うだけだしそろそろ突破方法考えないと」
「そうだぞー」
「うおっ、ソムニいたの?」
「最初からついてきてたけど?」
なんだ一人じゃなかったのか。
「ソムニ、このダンジョンの階段の場所とかわかる?」
「うーん、わからない。でも、近くなったら悪魔の魔力とか感じられると思うし近くなったら言うぞ」
「はいはい。で、ソムニさんさ」
「なに?」
「ギャルなのか男らしいのかどっちかにしてくんない?」
話していて思う。エビルバクの時もそうだったが興奮するとギャルっぽい口調じゃなくなってなんか男口調になるのだ。
それがなんか、うーんって感じ。
「ちょ、それ今言う!? 男らしいのは人の事言えないじゃない!」
「ちょ、それ私に言う!? 私はか弱い女の子ですぅー!」
「か弱いんなら単独でこんなとこに攻め入ってこないっての! 仕方ないでしょ! もとより興奮したら熱くなっちゃうタイプだし、育ってきた環境が男だらけだっていうのもあるの!」
「わ、私だって男だらけだったし……」
「あんたの友人二人女性じゃない! 男だらけなわけないでしょ!」
ぐうの音もでない。
「こほん。じゃ、私女の子らしく振舞いますわ」
「……今更気色悪いんだけど!」
「ひどいでございますわ。おや、敵のようですわ」
敵が来たのでとりあえずぶん殴る。
「殴る時点で女の子とはかけ離れてるってこと気づかない?」
「うすうす思ってますわ」
大体女の子らしいって何なんだよ。
キャッキャウフフしてたら女の子らしいって言えるのか? いつも思うのだが男らしいって言われるゆえんが分からない。こんなオッドアイの可愛い金髪美少女に向かって男らしいっていうヤツの気が知れない。
「さて、階段を探しますわよ!」
「ちょ、まだそれ続けるの……」
私は階段を探すために走り続ける。
ようやく階段を見つけ出し、二階へつながる階段を駆け上がる。
まだまだ先は長いが、今日中にこれは終わるのだろうか? 終わらないとしたら一度戻って少し休んでくるのが一番ベストなんだが……。
「あんたあんだけ走って息とか切らしてないの……」
「体力だけには自信がありますわ」
「もういいってのそれ!」
走る程度なら大丈夫だろう。
それにゲームだしな。この程度でスタミナが減るわけがない。ある程度現実の体力とリンクはしているらしいけどね。現実で疲れやすいなら結構疲れるらしいが、私は現実でも体力は女子の中では断トツに多いと思ってる。
「さてと、二階を探索したいけど……」
「何か問題でもあるの?」
「いや、この内装、ちょっと変だなーって」
「変?」
私は目ざといから気づくぞ。
「一階はカーペット敷いてあったのにここはないし、鎧とかもないのが不思議だなって」
「言われてみればそうだね……」
「ま、不思議だけどありえないってわけでもないし先を急ごう」
「ちょ、少し休ませてよッ……」
と、体力のないソムニが言うので休んであげることにした。
この話31日までに終わるだろうか…




