vsターター&ハイジ 前哨戦
サバイバル生活五日目。
私たちは結構狙われていた。というのも、私たちを倒すとポイントはなんと六倍。ポイントカードもびっくりのポイント数だ。
だからこそ、私たちを運良く倒せたのなら優勝に一気に近づく。そういうことだろう。
「さて、私たちも本格的にプレイヤーを狩らないとダメだろう」
「ですね。一位になるならまだ稼がないと」
たくさん稼ぐなら……。
「ハイジ、ターターコンビを探して狩るしかないですかね」
「それしかあるまい。そいつらを倒せば実質優勝みたいなものだ……。だがしかし、どこにいるものか」
いや、待って。
どこにいるかじゃないかもしれない。気配察知に引っかかってるこの気配は……。
「もしかしたら近くにいるかもしれませんね。ハイジとターター」
「せいかーい!」
と、背後からとびかかって攻撃してきた影。
私とクロムは躱すとその躱した先にもう一人いた。棍棒を構え、殴ろうとしてくるので私は棍棒に向かって蹴りを放つ。
棍棒は飛ばされていった。
「よう、久しぶりだな。ハイジにターター」
「お久しぶりだね、クロムちゃん。なんか神々しくなったね」
「進化したからな」
「……いいなぁ」
と、クロムは知っているようだ。
私はこいつらの事何も知らないが。
「改めまして。俺はターター。寡黙な女性がハイジね」
「……よろしく」
丁寧に自己紹介してくれた。
「あ、私はミーミルっす」
「ミーミルちゃん。顔立ちが日本人っぽくないね。ハーフ?」
「マジのイギリス人です」
「ガイコクジン! その響き素敵だよなぁー」
と、羨ましいと言わんばかりの顔をしている。
「ま、どこ出身でもやることは変わりないけどね」
「戦うんだろう? いつでもこい」
クロムはかかってこいと手で招いた。
私も拳を構える。
「それじゃ、私とターター、ミーミルとハイジでいいか?」
「異論なし」
「構わないよ」
「あ、タイマン?」
てっきりオルタナさんたちみたいに協力してくるものだと。
ま、いいか。ハイジさんが相手ね。相手に取って不足はなさそうだ。私はハイジさんと面と向かう。
見たところ、得物は棍棒などの鈍器。刃物じゃないだけまだましかもしれないな。
「よーし、尋常に勝……」
と、言おうとした矢先だった。
私の鼻先に矢がかすめる。それはクロムたちのほうもらしく、みんな矢が飛んできた方向を向いた。
そこにはプレイヤー数名が立っており、また数の暴力かと思ったのと、邪魔してくれたという怒りがちょっと沸いた。
「……まずはアレを片付けますか」
「そうだな。ターター。一時休戦だ」
「はいはい。勝負事に水差されるのは俺も嫌だしねー」
と、私たちの標的はまずあのプレイヤーの軍勢に変更されたのだった。
私たちは一気に距離を詰める。矢がひっきりなしに飛んでくるのでまずは私はナイフを全力で投げて一人に致命傷を与える。
「弓を使えるのはお前らだけじゃないぞ」
と、クロムが弓を構え、弦を引く。そして、一閃。直線的に矢が速く飛んでいきプレイヤーたちを貫いていった。
クロムなんでも使えるな……。
「…………」
ハイジさんは黙りながらなんか棍棒でぶん殴ってるし、ターターさんは楽しそうに剣で切り裂いている。
無双ゲーか? 私なんもしてないぞ。なので。
「私も切り込みじゃーい!」
私も距離を詰め殴る。
数分後には、プレイヤーたちを全滅させることができたのだった。




