イベント開始ィ!
三日後…。
「じゃあ、母さん行ってくるから」
「父さんも…頑張ってくるから応援を…。一言だけ…」
と、父さんがいうので仕方ないので応援してあげることにした。
「お父さん大好き」
「よし、手術の一つや二つどんとこい!」
と、意気揚々と車に乗り込んでいった。
父さんが母さんを駅まで送ってそして父さんが空港まで行くらしく母さんも車に乗り込んだ。
二人が出ていったのを見計らい、私は家のドアに鍵をかける。邪魔されたくないがためにだ。来訪者お断りです。
そして私は階段を急いで駆け上がっていく。
機械に寝そべり電源ボタンを押した。
気が付くと拠点にいた…というわけじゃなく森の中にいた。
どうやらすでにイベントは始まっている…というわけじゃなく、なにやらピンク色の範囲があり、そこから出られないらしい。
隣ではクロムさんがすでにログインしていた。
「やっとログインしたね。もうそろそろルール説明の時間だよ」
「ですね。結構ぎりぎりでした」
私は地べたに座ると私たちの目の前にモニターが現れる。
モニターに映ったのは以前メイクアップレースを行ったあの二人…ではなく今度は女性二人組だった。ショートカットで目元はハーフマスクで隠されている。
もうひとりの方は腰ぐらいまであるロングな髪。だけどおめんはひょっとこ。
『お待たせしましたー! 今回のイベントのルール説明をしまーす! ルール説明担当は私、ひょっとこと~?』
『クイーンがお届けします』
ほう、どちらも綺麗だなぁ。
『ルールは簡単! 人を殺してポイントを取れ!』
『今あなた方がいる森にはたくさんのプレイヤーがいます。プレイヤーを倒し、ただただ最終日まで生き延びること。まずはそれが目的です』
『ちなみに死んだらイベント、即リタイアでーす! この世界には魔物は存在いたしません! すべて虫とか、魚とか小動物! もちろん飯も自前で用意! プレイヤーに殺されるんじゃなくて餓死で死ぬってのは相当情けないよ!』
なるほど、サバイバルということだから食料も自前か。
魔物はいないが動物はいる…。まあ、動物性たんぱく質とかも大事だからね。そりゃね。
『舞台はこの森! 森を抜けた先には平原があり、砂漠がある! 私たちが作った一つの箱庭っ! その中でどんな劇が見られるのか!』
『ルールはこれくらいでしょうか』
ふむ、ルールがシンプルな分説明が少ないな。
まあ、大方把握できた。
『もー、肝心なこと忘れてるよ! プレイヤーを倒した時にポイントがもらえるシステムがあります! そのポイントを使って食料を交換したり? 武器を手に入れたりしてねっ! それと…イベント半日が過ぎたら所持ポイントランキングを公開して上位10位に入ったグループを倒した場合、もらえるポイントが三倍になります! ポイントカードも驚き桃の木山椒の木!』
『ポイントは順位に大いに関係がございます。ポイントが多い人が優勝を勝ち取ります。最終日まで生き延びて安心はできません』
『生き延びつつ他者を蹴落としポイントをゲットする! 社会の縮図みたいだね!』
『そんな黒い要素を放さなくてもいいでしょう。では、イベントは午前九時からでございます。あと五分ほどお待ちください』
と、ぶつんとモニターが黒くなる。
「とりあえずプレイヤーを見つけ次第悪・即・斬ですね」
「そうだな。ポイントを稼いでおかねばな」
クロムさんはやる気満々のようですでに剣を手に持っている。
私もいつ襲われてもいいようにナイフを構える。初期位置はさすがに離れているとは思うが…。いつ出くわすかはわからんからな。
と、思っていると残りあと一分だ。
「とりあえず問題はオルタナさんたちですかね。あとに残しても厄介、先にしても厄介です」
「そうだな…。倒せるかは五分っていうところか。ミーミルの実力次第による」
「他は特に問題なさそうですね。私たちの敵になる奴らはそれほどいないと思います」
プレイヤーランキングで一位のクロムさんと組んでるのだ。負けるわけがない。
ちなみに私は二位だった。これは秘密にしてある。ま、ランキングは誰でも見れるから警戒はまずされてるだろうけど。
これ、警戒される分不利かもしれないな。と思いつつ時間を待つ。
『それじゃ、サバイバル、スタートォ!』
殺し殺され合いの生死をかけたデスゲームが始まった。




