表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
177/442

イベントに必要なスキル

 最近どうも寝不足気味なので今日は早めにログアウトしよう。

 そう決めたので、ログアウトするとクロムさんに告げる。


「もうそろそろログアウトしますわ」

「む、ちょっと待ってくれ」


 と、クロムさんはなにかをアイテム欄から取り出した。

 それは一つのスキルナイフだった。プラチナ色のナイフ。この色は見たことがない。NPC特別職になれる職業ナイフとは違ってこのスキルナイフは何なんだ? どういうものだ?

 初めてこのスキルナイフ見たけど…。これがどうしたんだろう?


「イベント戦でタッグを組むにあたってこのスキルが必要になる。使ってくれ」

「このスキル?」


 私はナイフを受け取り、ナイフを胸に突き刺す。


《スキル:見通し を手に入れました》


 見通し?

 説明によると目の前の視界が不安定な状態でもばっちりと周りが見えるようになるスキル…。視界不良が効かないっていうのは大きなアドバンテージになりえるがこれが必須? どういうことだ。

 

「それを渡したかった。イベント、頑張ろう」

「あ、はい」


 そうしてクロムさんは去っていく。

 私は見通しが必要な理由が気にかかりつつも、ログアウトをして風呂を沸かす。そうこうしてるうちに夜になったからな。

 今日は母さんも帰ってくるって言ってたし。と思っていると玄関の方からただまーという声が聞こえてくる。


「アテナー、肩揉んでー」

「やだ。マッサージチェアでも買って使えばいいっしょ」

「あ゛ーーーーーーっ、づがれだぁああ」


 と、母さんが冷蔵庫を開け缶ビールを取り出しソファに座り、ぽしゅっという缶ビールが開く音が聞こえてくる。

 母さんがごくっ、ごくっ、と気持ちよく飲んでいた。


「ぷはぁーっ! 久方ぶりに酒飲んだ! こういう疲れてるときには染みる…」

「あ、そ」


 私は冷蔵庫を漁る。

 買いだめしておいたサイダーを取り出す。サイダーは好きだ。しゅわしゅわという炭酸の気泡が喉を刺激して気持ちよい。

 サイダーはどの国でも美味い。


「ああ、アテナ。そういえばなんだけど」

「ん?」

「三日後から母さん弁護士仲間と旅行に行くからさ…。その、年末が近いし休みがそこぐらいしか取れないって言うのもあって」

「はいはい」

「父さんも三日後からイギリスに戻らなくちゃならないんだって。結構大事な手術があるらしいよ」


 ほう、二人いないのか。これは好き勝手できそうだな。いや、結構してるけど。

 

「で、アテナはどっちについていくかって話なんだけど」

「お家で過ごします」

「旅行行きたくないの?」

「行きたくない」

「イギリスに帰りたくないの?」

「帰りたくない」


 その三日後からイベントなんです。

 だから無理なんです。家にいないとダメなんです。ね?


「そう…。寂しいわぁ。アテナもついてくれば楽しめるのにぃ」

「旅館とかに泊まるなら結構そそられるけどゲームしたいからダメ」

「くぅ…」


 私はサイダーを飲み干しゴミ箱にペットボトルを投げ入れる。


「さて、私外でご飯食べてくる」

「私も行くわ」

「ついてくるの?」

「当たり前じゃない。何が食べたい?」

「肉」

「じゃ、焼肉でも行くかしらねぇ」


 ゲームでも現実でも焼肉です。

 口の中に脂をいれたい。












評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 木戸君とのデート回でコーラ嫌いって言ってた気がします。
[一言] 関係修復したからでしょうけど、構いたくて仕方が無いんでしょうね〜 前のギスギスより良いのでジャンジャンとイチャついて下され(。^ω^。)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ