夢の世界
ソムニを連れ始まりの街に戻ってくる。
「夢の世界に入るには眠ること」
と、いって、拠点に戻ってきた。
私はとりあえず席に座る。眠れっつっても眠れと言われて眠るほどゲームじゃ眠くないけどな。私はそう言うと、大丈夫だという。
「夢見の波動!」
と、その波動を浴びた瞬間、瞼が重くなり急に閉じる。
そして、意識を失った…。
目が覚めると、なにやら荒れ果てた場所にいた。
先ほどいた拠点ではなく、荒れ果てた…始まりの街。赤い空が空中に広がり、建物は風化し崩れている。
ただ、ここまでボロボロになってはいるが始まりの街だった。
「どこだここ」
「夢の世界よ」
と、ソムニが出てくる。
「ここが夢の世界?」
「あなたが見ている夢ね。ここで原因を探りましょ」
というので、二人でボロボロになった夢の始まりの街を歩く。瓦礫がいく手を邪魔していたりする時もあるが、探索はできる。
「人がいないな」
「いないのはおかしいけど…。先にすす…何か来る」
と、ソムニは武器を構える。
目の前を見ると土煙がこちらに向かってきている。男の叫び声も聞こえてきた。それは何かから必死に逃げているような叫び声で、助けてぇと必死に叫んでいる。
私は拳を構えた。
「うおっ、でかい蜘蛛…」
「夢の中で人を殺していた一匹だね」
私たちは戦闘態勢に移行した。
私は蜘蛛に近づき、まずは眉間に一発拳を食らわせる。
蜘蛛はのけぞり、地面に頭をつけた。そしてソムニはフォークで蜘蛛の頭を突き刺す。蜘蛛は苦しみ悶え暴れ始めた。
弱いな…。これに殺されるとは思えないが…。
「弱いじゃん」
「意識がある私たちにとってはね」
「なんか違いあるの?」
「夢ってのは本来無意識に見るものよ。無意識だからこそ大幅に弱体化するし、その無意識の夢を刈り取る存在がこいつらなの」
「つまり意識がある私たちは弱くなってないということか」
「そゆこと。それに、こいつらは無意識の夢見てる人にたいして力がアップしてるの。勝てるわけがないわ」
なるほど、パワーアップしてる上に弱体化をこちらが食らってるわけか。
だがしかし、私たちは意識があるまま夢の中に来ているからその恩恵は相手はうけれないということ。弱いのも当たり前か。
「悪夢の原因はこいつらが大量発生しているってことか」
「そういうこと。でも、なぜ大量発生しているかが疑問に残るけど…。とりあえず現実に戻りましょう。眠りすぎてもよくないの。夢の世界に居続けるのも本来はダメだし私の魔力がもたない」
「了解」
時間にして二時間ということか。
二時間もここ探索していたんだな。だがしかし、活動限界は二時間っていうことは結構猶予はあるということ。
毎日二時間ずつ夢の世界に行くしかないか。
「じゃ、起きるわよ」
私の視界は暗転した。




