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本番はここからです ⑤

 占いを終え、昼の時間となった。

 ぐぅぅとお腹が鳴り、私たちは外の部活の屋台を見に行こうといって、外靴を履いて外に出る。じゅううと何かが焼ける音、ソースの匂いがしてくる。


「ソースの焼けるいい匂いだぁ…」

「こういう祭りの時の焼きそばって美味しそうに思えるよね」


 そういいながら焼きそばの屋台に向かう。

 男バスが焼きそばの屋台をやるっていってたし、たぶん今頃シフトに入ってるだろうから多少ちょっと安くしてもらおうと思っているとさっそく男バスの屋台についた。が、結構昼頃なだけあって混んでいる。そしてなんか女性が多い…。


「焼いてる人超かっこいいよ!」

「イケメンって感じの人だし体も引き締まってて素敵…!」


 と、黄色い声が聞こえてくる。

 ちらっと横から覗き込むとねじり鉢巻きを頭に巻き、鉄板で焼きそばを焼いている木戸くんの姿が見える。

 木戸くんは女子の方に見向きもせず、ただただひたすら焼きそばを焼いていた。あまりこういう応対得意そうじゃないもんな。だが悪いな…助けてやりたいが今は二人と一緒なんだ。


「違う屋台いこっか」

「そうだね。こんなに混んでるし食べるのに時間かかりそうだし…」

「なら、お嬢様たち俺らの屋台にこない?」


 と、突然話しかけてきた男の人。

 私はそちらを見るとなんだか日焼けしてジャージを着た男子生徒だった。


「俺らサッカー部なんだけどさー、バスケ部に客がいっちゃって暇なんだよ…。お願い、安くするから!」

「だってさ」

「ちなみにメニューは?」

「ホットドッグ」


 ホットドッグかー。焼きそばみたいにガツンと食えるわけじゃないけど…。まぁいいか。


「じゃ、ホットドッグにしようか。いい?」

「別に構わんぞ」


 二人がいいということなんでホットドッグに決まりました。







 サッカー部の屋台でホットドッグを買い、私たちは食べながら移動する。

 辛いのはそんなに好きじゃないがホットドッグにはやっぱりマスタードは必要で、マスタードの辛さとケチャップの酸っぱさが、ソーセージの脂を中和してくれてとてもうまい。


「アテナ何個食べるの…」

「腹が膨れるまで?」


 私はホットドッグをとりあえず20個ほど注文し、食べながら他の屋台を見る。私自身動くのが好きだからか腹が減るのがはやいし、結構量も食ったりするときがある。まぁ、最近はそんなに食べてはないが結構大食いだって言われたりもする。


「ちわー、写真部なんですが、写真撮らせてもらってもよろしいでしょうか?」


 と、また誰かが話しかけてくる。

 私はホットドッグを口に押し込み、ちょっと咀嚼して飲み込む。


「写真部?」

「はい。文化祭実行委員会に頼まれまして文化祭の様子を写真にしてるんですよ。それであなたの食べっぷりがすごいので写真にしたくて」

「食べてるとこ撮られるの?」

「ダメでしょうか?」

「私は写真写り悪いよ? モデルならこっちの三日月の方が…」

「ちょ、私あんまり写真とか好きじゃないんだから…」


 と、やんわり拒否する三日月。

 すると、突然背後から誰かに抱きつかれた。


『お姉さまー!』

『ソフィー!?』


 ソフィーが私に抱きついてくる。


「いいですねぇ! 外国人美少女二人はとても絵になりますよ! ぜひ! 助けると思って!」

「仕方ないなぁ…」


 私はため息をつく。


『ソフィ、写真撮るんだって』

『写真撮られるんですね! 可愛くとってほしいですね』

『ほら、カメラのほうを向いて。ピース』


 私とソフィはカメラに向かってピースサインを向ける。


「うん、可愛く撮れた! ありがとござましたー!」

「ありがとうございましたってちゃんと言えよ…」

『お姉さまとの写真撮れてうれしいです!』


 ソフィが笑顔をほころばせそういった。

 うっ…不覚にもちょっと可愛いって思ってしまった。なんか文化祭、変なのに絡まれる。






 ま、そのあとは何もなく文化祭は終わったんですけどね。
















文化祭、思わず長く書いたんで二日目は割愛

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] そろそろソフィーさん、日本語覚えた方が良いんじゃ…? でも解らなくてワタワタしてるのも可愛いし(。-ˇ.ˇ-。)ん~
[良い点] ちっちちゃんと、ソフィがあったら同族嫌悪で嫌い会うか、おねぇ様〜て言って仲良くするのか…どっちだ
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