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文化祭前 ②

 文化祭前は学校に…泊まれることはないが、午後九時まで居残りが許可されている。

 そして、生徒主催での前夜祭が毎年開かれているらしい。体育館で軽音部が前夜祭ライプをするということなので三日月と灘と一緒に体育館にやってくる。

 体育館は暗転しており、ステージだけがライトで照らされている。


『さぁ始まりました! 前夜祭特別軽音部ライブ! ボーカルのリコでーす!』


 と、ショートボブで制服姿の人がマイクを手にしそう叫ぶ。


『今日の前夜祭、めっちゃくちゃ豪華ですよー! なんと! わが校に転校してきたアイドル! 夢咲 千絵ちえちゃんが来ておりまーす!』

『どうもー! みんなのアイドル! ちっちちゃんですよー!』


 と、舞台袖からきゃぴきゃぴとした女の子が出てきた。


「…三日月、千絵ちゃんって知ってる?」

「一応は知ってるけど…私の興味範囲外だなぁ」

「テレビにたくさん引っ張られてる人気アイドルらしいぞ」


 スマホで調べたらしい。


「転校してきたことも知らなかったけど…」

「ま、同時期にソフィアさんが来たからね。そっちの方がインパクトあっただろうし」

「ま、そうだろうな」


 周りはちっちちゃんとか叫んで盛り上がっている。

 知らないのは私だけっぽいな。一応ライブは最前列にいるが、私だけぽかんとしているような感じ。舞台を見ていると、ちっちちゃんと目が合う。


「うわぁ、可愛い子発見! 君、舞台上がってきなよ!」

「……」

「君だよ君! 金髪のキミ!」


 と、周りを見渡すが金髪が私しかいない。

 ま、そうだろうな…。髪染めてる子いないしな。私は立ち上がり、舞台にあがる。


「名前なんて言うの?」

「アテナ・アゼリア」

「外国の人なんだ! 顔立ちが日本人ぽくないしそうだと思ったよー!」


 と、馴れ馴れしく肩をポンポン叩く。

 私は助けてくれと三日月を見るが視線をそらされる。


「ちっちちゃん。そろそろ曲を…」

「はぁーい! ごめんねー。可愛い子みたらやっぱり話したくて…」


 と、ちっちちゃんはマイクに向き合った。

 その時だった。上からなんか変な音が聞こえ向くと、ちょっと固定が甘い照明が見える。今にも落ちてきそうな…。

 

 と、その時。ガコン!と音が聞こえてくる。


「危ない!」


 私は思わずちっちちゃんに体当たりすると、ちっちちゃんがいるところに照明が落ちてきた。突然のことで全員が唖然となっている。

 先生方が壇上にあがってきた。


「大丈夫か!?」

「な、なんとか? あっぶねー。気づかなかったらあれにあたってたぞ」

「…お姉さま」

「ん?」


 私が押し倒すような形でちっちちゃんがいた。

 ちっちちゃんは顔を赤らめており、うっとりとしたような目をしている。


「とりあえずライブは中止だ。直ちに先生方で他の照明を確認する! ケガはないか!? アテナに夢咲!」

「ありませんよ」

「私もお姉さまが助けてくれたので…」

「他の軽音部のやつらもないか?」

「あ、ありません…」

「そうか。よかった…」

「あ、あのライブは…」

「照明が落ちてくる危険性がある以上続けるのは無理だろう。中止だ」


 と、無情にもいうと、軽音部の人は悲しそうに楽器の片づけを始めていた。ライブを楽しみに来ていた人も残念そうにしており、えぇーという声もちらほら聞こえてくる。

 

「怪我はない?」


 私はちっちちゃんに尋ねる。


「大丈夫であります!」


 と、元気に敬礼をした。

 よかった。と、一安心したが…。


「…その、あの、アテナちゃん!」

「なに?」

「好きです、付き合ってください」


 …ふぇ?









おちたな(3つの意味で)

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いずれ王となる君に~部下である剣士の私はその才能をゲームでも発揮します~
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] おちたな(3つの意味で) 照明 ちっち 話
[一言] ピンチ助けられたら まー、惚れますよね 性別?まー、脇に置いときましょ 女子が惚れる女子路線確定? ふんわり予兆はあったものの 言動間違いなく格好いいものね さて、お姉様と言われて アテナさ…
[一言] 総帥作品では初? それとも久し振り? 百合道に目覚めた娘っ子 扉を開けたアテナさんには申し訳無いのだけど、ちょいとワクワクしてますww ↓こんな感じで  ∧_∧  ( ・∀・)  わ…
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