魔物引き寄せ香
森の中に入っていくと話声が聞こえてきた。
「なぁ、大事になったぞ。パンドラ」
「私だってこうなるつもりなじゃなかったんだけどなぁ」
「あんたにしては珍しく計算ミス?」
という会話が聞こえてきた。
私は声が聞こえてきた方向に向かうと、そこにはお香を前にしてるパンドラさんたちがいた。そこは森の中としては随分開けた場所で…。
「…なにしてるんすか」
「あ、やべ、みっかった」
「ってミーミルじゃない。ど、どうしたの?」
さっと体でお香を隠すようにしている。
「…あの魔物たちもしかしてパンドラさんたちのせい?」
「ち、ちち、違うわよ?」
「…もう嘘はいいだろう。ま、そうだ」
ビャクロさんが認めた。
それであきらめたのかお香を見せる。
「なんですかこれ」
「魔物引き寄せ香…。これで魔物を引き寄せることができるんだけど…ちょっと失敗しちゃって」
パンドラさんは笑う。
「間違ってあの平原で使っちゃって魔物を大量に引き寄せてさ。お香をこっちに移したけど後の祭りで…。あはは。やらかした」
と。
「あの街を壊すつもりで?」
「いや、経験値稼ぎをしようと引き寄せたんだよね…」
…迷惑にもほどがあるだろ。
この街を壊すような人ならば戦っていたが、そうには見えないしな…。私はしょうがないので見逃すことにするけどさ…。
「もうお香しまって戦いましょうよ…」
「そうだな。お香をどうにかしてくれ。私はモンスター共と戦ってくる」
そういって、ビャクロさんがついてきたのだった。
モンスターとの戦いは結構押されてるようで数が数なだけに苦戦を強いられているようだ。
ハイドも蹴散らしてはいるが、それでも数は多い。こんな魔物の大群、どうやってパンドラさんたちは戦うつもりだったんだろうか?
「予想外だな。こんな魔物の数は」
「予想外?」
「ミーミル、戦うぞ」
と、ビャクロさんが駆けていく。
魔物を蹴散らし始めた。得意の武術で投げたり、殴り飛ばしたりして、他の敵を巻き込みつつ攻撃をしている。
何より怖いのが、大体がワンパンということだ。怖えー。
「私も出遅れてる暇ないか…」
私は腕と足を変化させ、一気に距離を詰めて手で切り裂きながら突撃していく。
こういうのは本当に作業だと思ったほうがいい。私は走りながら切り裂き続ける。何度腕を振ればいいのだろう。終わりはいつ来るのだろう。
私は倒しながらもそう考えていた。
「くそ、終わらねえなぁ!」
私はそうぼやく。
ハイドもいて、結構な戦力はあるはずなのにな。数が多すぎる。ただ、減っては来ているが…。いつ終わるのだろう。
全部を倒し終えたのは、2時間後くらいだった。




