モンスターの大量突撃
アキラとの一件が終わり、また次の依頼を見ていると、突然警報が鳴り始める。
それは街の警報音のようだった。外に出てみると、市民は中央に向かって避難しており、戦える人たちはなにやら郊外の方に向かっている。
「どうしたんだろ」
「うるさいな…。なにがあった」
「さぁ…」
私たちも郊外の方に向かっていくことにした。
私たちが到着すると、なにやら土煙を上げてこちらに向かってくる集団が見える。私は目を凝らして確認してみると…。
「モンスターだらけだな…」
モンスターの大群がこちらを攻めてきてるようだ。
だがしかし、突然すぎる。こうもまとまってモンスターが襲い掛かってくるなんて普通じゃない。群れを作るモンスターもいるが、あんな風な違う種族のモンスター同士で群れを組むなんてのは聞いたことがないな。
「すっげ…。これもクエストかよ」
「退屈はしなさそうだな」
「あれを相手すんのかよ…」
しょうがない。
私は一気に駆けていく。モンスターの群れの中に飛び込み、思いきりジャンプし、そのままハイドを召還する。
モンスターたちは興奮しているのかビビることはなく走っていた。
「ガルァ!」
「やるぞハイド!」
私は腕と足だけを変身させ、モンスターの群れのど真ん中に着地した。
モンスターを切り裂きながら私は進んでいく。これは明らかに自然に起きたものじゃないだろうな。
操られてるっつーかなんつーか。人為的に起こされたものの気がする。
だが、誰がやってるのだろうか…。
「くそ、考える余裕ねえなッ!」
数が多い、手数が多い。
休む暇もなく襲い掛かってくるので私はいったん考えるのを辞める。考えなくなり、目の前の事だけに集中しよう。
考えるのは私の役目ではないからな…。
「あっちも戦ってるようだし…」
このモンスターの数は以上だ。
倒しても倒してもキリがない。ハイドも倒しまくってはいるが終わりが見えない。何万の魔物がいるんだろう。
これはもしかして元凶を叩かないと終わらないパターンだろうか?
すると、背後から声が聞こえる。
「オラオラオラァ! このアキラさまをなめんなよ魔物どもォ!」
と、殴りながら進んでくるアキラが見えた。
「それ、突撃だべー」
と、メタルシープ一匹に乗り、メタルシープの群れが突進して魔物を蹴散らしている。メリィ・シープさんも戦ってるようだ。
結構のほほんとしてるけど…。
「あ、師匠! すごい魔物っすね。きりがねっす」
「なんで魔物がこんなに現れたんだべなぁ。予兆はまったくなかったべ」
「人為的に起こしてるんだろうけど…。誰だろうな。怪しいのみなかったか?」
「みてねっす」
「ん、さっきあの森の中に人影が見えたべ。見間違いかもしんねーが見てくる価値があると思うべ」
と、メリィ・シープさんがそう教えてくれた。
「ここは俺がやっとくっす! 師匠は見てきてください!」
「怖くない?」
「お化けじゃねーから怖くねっすよ。さ、かかってこいや魔物どもォコラァ!」
と、魔物を殴り飛ばし、突き抜ける。
強いな…。私はその場を二人に任せ、あの森の中に入っていくことにした。メリィ・シープさんがいっていた人影を探しに。




