金策はどうする?
ジキルタイガーはよく夜の平原に現れるというので、私は夜まで待つことにした。
神獣をテイムしようとする初試みは二人がサポートしてくれるらしい。それまでやることは一つだ。私は金が欲しい。世の中金だ。
「ということで金策! 私は金が欲しいッ!」
「そうねぇ。金策っていう金策はないけど…」
「高ランクのモンスターを倒してそれを売るっていうのが手っ取り早いがまだ初心者だからな…。レベルも低いし」
どのゲームもそうだが基本的に金なのだ。
バグで金が増えるならまだしも、今の手持ちは1000ギン。初期の手持ちの金と同じって言うか売買してないので増えたり減ったりするわけがない。
さて、金を増やしたい…。
「…強盗でもするか?」
「なんでそんな思考になるの…」
ないなら奪えばいい。
金がないなら奪えばいいじゃないってマリーアントワネットさんも言ってた。
「ここのプレイヤーってどうやって金稼いでんの?」
「依頼をこなしたり、ドロップアイテムを売ったりとか、それか、自ら商売をするとか。道具や開いてるプレイヤーとかいるし前にユーナって言う子いたでしょ? あの子も自分で武器屋を開いてるの」
「あー…商売か」
商売のイロハはわからないんだよな。
「ふっ、商売なら私だな」
「野菜でも売るの?」
「肉の方がうまいから野菜は売らん」
「あんたん家八百屋だよね…」
ミカボシがそうつっこんだ。
クシナダの実家は八百屋を営んでいるから野菜旨いとかいいそうなもんだけど…。これ偏見?
「将来は継ぐからな。多少の商売のイロハやら売り上げの計算とかはできるぞ! ふはははは!」
「まあ、自慢できることではあるけどちょっとうざい…」
わかるぞ。
クシナダ、中二病気質なのはいいけどたまにウザいんだよね…。
「素材を売るというのも一つの手だが供給が間に合わないだろうし道具とかといっても作り手がいないから今は商売するのはやめた方がいいだろうな。出来たとしても情報屋ぐらいだろう。情報屋ならミカボシがうってつけだしな」
「え?」
「いろんな噂話とか好んで聞くし聞き上手だ。話の広げ方はミカボシが一番いい」
と、突然褒められたのがうれしいのか少しもじもじしている。
「まあギャルだもんな」
「ギャルじゃないでーす。でも確かに話を聞くのは好きかな?」
「お客さんに一番不安を与えないのはミカボシだ。ミーミルも上手だが外国人ってことで減点だ」
「ええ…」
「見た目で言語の壁を匂わせるからわかるかなって思わせてしまう。同じ人種の方が話しやすいのもあるな」
そういうもんなの?
外国人をなめるなよ! いや、でもイギリス人は人見知りとか言うし向いてないのかもしれないな…。
「ま、商売は諦めろ。金策はどうする?」
「とりあえず街をぶらついて依頼を探そうか。チームランクが低いから依頼は来ないからね…。低ランクに優しくないんだよね…」
「じゃあ街に向かうか…」
私たちは拠点からでて繁華街に赴いた。
人が多いところは依頼が多そうだからな…。さて、探しましょう。




