いざ、戦わん
私たちはパープルの街へと急いだ。
すると、突然目の前から鉛玉が飛んでくる。私の横をすれすれに飛んでいった。
「流れ弾…?」
「ビンゴ。戦争の最中かもしれないな」
私たちは先を急ぐと、一つの軍隊が街に攻め込んでいた。
「私たちはこれに参加しなくちゃならないんですよね?」
「その通り。参加しなくちゃゴールにならないかもしれない」
他にプレイヤーの姿は見えない。
私たちは武器を構え、街の中に入っていく。街では、街を守る兵士や冒険者の姿があり、建物は崩れ、ところによっては火災が起きていたりしていた。
街はもうほとんど壊滅状態だろう。参加する意味もなければ、なぜ戦争にまで…と思うところがある。
「さーて、指揮してる将軍様は…あいつだな。いくぞ」
と、パンドラさんが指揮官を発見し、私たちは近づいていった。
指揮官に近づくと、私たちの首元に銃口とナイフを突きつけられる。
「指揮官様。私たちは援軍に参ったものです」
「援軍だと? その話は聞いていないぞ」
「そうでしょう。私があくまで個人的に協力したいって言うだけですから。どうです? 信用には足らないとは思いますが私も、私の味方も結構な精鋭でございますよ。実力は申し分ないと思われます。手を貸すことを許してはもらえませんか?」
と、パンドラさんがいった。
指揮官らしき人は顎に手を当てて考えている。
「…よしわかった。いってこい。前線に」
「了解です!」
と、私たちもなし崩し的に戦うことになったのだった。
私はナイフを構える。一応職業は処刑人だからあまり悪いことはできないんだけど…。うーん。エーデルさん許してくれるかなぁ?
そのことが気がかりだが、ま、戦争って言うのはそういうもんかもしれないな。
「ま、この私が馬鹿正直に戦うわけがないじゃん」
と、パンドラさんはそう言って笑いながらどっか行った。
私とビャクロさんだけが取り残された。ワグマさんもパンドラさんについていった。か、考えが読めない。なぜ私とビャクロさんだけが取り残されたんだろうか。
ビャクロさんもわからないようで、聞いてみてもわからんといって、目の前に集中しろと言われた。
「…私たちだけでこの人数相手どるんですか?」
「不安か?」
「不安はあんまないんすけど…」
「面倒か」
「面倒ですね」
でも、やるしかないんだろうな。
私はナイフをもってかけていく。ビャクロさんも素早く相手の懐に潜り込み、そのままぶん殴った。私は首元のあたりを切り裂いたり、心臓にナイフを突き刺したりなどして、そのまま進んで倒していく。
「な、なんだこいつらぁ!」
「馬鹿みたいにつええ!」
と、背後から剣を振りかぶる男。私は振り向かずナイフを投げる。そして、落ちてきた剣を受け止め、その剣を敵軍めがけてぶん投げた。
ブーメランのように回転しながら飛んでいく。ブーメランみたいに戻ってくることはないが。
「ったく、パンドラとワグマは何してんだ。なにをしようとしてんだ」
「長い付き合いでもわからないんですか?」
「あいつは捉えようがないからな。わからないもんはわからん」
ビャクロさんも読めないのか。
なら、私ならもっと読めないな。
「だがしかし、決して私たちには害を加えないだろうよ!」
「そうなんですか?」
「あいつは私たちを裏切らないからな」
と、ビャクロさんが笑う。
強い信頼感だな。そんな信頼できる友達がいるというのはすごい。私も三日月たちを全面的に信頼はしているが…。
なんつーか、私たちとは違う仲の良さっていうか信頼感だ。
「あいつはきっと何かをしようとしている。だがそれは私たちにとってはマイナスじゃないだろう」
「そうですか…。なら信じて待ってみますよ」
「ああ、そうだな」
私たちは敵軍をなぎ倒しながら会話をしていた。




