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無重力  作者: 雨世界
3/9

 二人は昼食を取るために、宇宙記念館の中にあるレストランで食事をすることにした。

 レストラン『三ツ星座オリオン亭』の店内は結構混んでいた。

 二人は食券を買って、料理を頼む人たちの列の後ろに並ぶと、それから少し時間をかけて、食券を店員さんに渡して料理を注文して、その料理を受け取り、それから二人で座れる席を見つけて、その席に座った。


 席は窓際の席で、大きなガラスの壁の向こう側には、もう宇宙にいくことのない、この宇宙記念館のシンボルにもなっている、引退した本物の宇宙ロケットの姿が見えた。

 建物の外にある木々は赤く紅葉していて、今が秋の終わりごろの季節(冬の始まる季節)であるということを、この風景を見ている百花に、思い出させてくれた。


 百花と鏡は二人ともカレーを注文した。

 具のたくさん入った(星の形に切られているニンジンが特徴的だった)三ツ星カレー。(700円)

 と、手書きの看板がお店の前にはおいてあった。(おすすめ料理なのだろう)


 メニューの中にはお子様ランチもあり、その器はスペースシャトルの形をしていた。(もしかしたら、鏡さんはこのお子様ランチを頼むかも、と一瞬桃花はわくわくしたのだけど、そんなことはなくて、鏡は普通に三ツ星カレーの食券を買った)


「去年の今頃は、ずっと一緒でしたね。私たち」

 自分の目の前の席に座って、三ツ星カレーを食べている鏡に百花が言った。

「……うん。そうだね。ずっと勉強ばかりしていた」

 水を一口飲んでから、鏡は言う。

「鏡さんは、今もずっと勉強がなりしているんでしょう。……すごいな。尊敬しちゃいますよ」百花は言う。

「自分の好きな分野のことだからね。受験の勉強とはまた違うよ。それに、百花くんも大学で勉強しているんでしょ? 同じだよ」

 鏡は言う。

「私は、去年ほどは勉強していません。さぼっているわけじゃないけど、普通に学んでいるだけです。あのころみたいに、必死になって、なにかを学んでいるわけじゃありません」百花は言う。

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