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少しずつ自分の状況と、今いる世界の状況が分かってきた。
ピーターさんに聞いた話ばかりで「~らしい」が多くなるのは勘弁してほしい。
まず自分の状況。
自分がこの世界に転生してきたことは間違いないらしい。
ピーターさんとルシアさんに、この世界の神様から「連絡」があり、その通りに家に来たら自分が居たらしい。
ちなみに「神のお告げ」とか「啓示を受ける」みたいに言われるのは、神様が「嫌」らしいので止めろと言われて、止められているって言ってた。
ここでピーターさんとルシアさんに10歳位まで世話して貰い、それ以降は自立していくって感じみたい。
勿論早く自立したいと思ったらしてもいいらしい。
その辺は臨機応変になってるって言ってた。
生活は基本安定しているらしい。
次に今いる世界の状況。
こっちがかなり前世とは違うみたい。
今いる土地は神曰く「カナン」と呼ばれてるらしい。
カナンはかなり大きい陸地でまだ全体が把握出来てない。
見える範囲で海は見えないけど、海もあるらしい、
我々が住んで居る街は同様に神から「シュイン」と名づけられた。
ちなみに他に街はない。
この世界の住人は全員転生人。
街から離れている人もいるけど、シュイン人は約1万人程度いるらしい。
共通点は過去の記憶がある事くらいで、産まれた時期も死んだ歳も死に方も違う。
最初はてっきり全員トラックにはねられて死んだのかと思っていたんですけど、関係なかった。
ピーターさんとルシアさんみたいに白人、黒人もいるけど、一番多いのは黄色人種、その中でも多いのは何故か日本人。
所謂肌の色による差別は全くない。
過去の知識を持って転生しているって事は、皆知識チートが使えるって事で、かなり現代風の生活が出来る様になっている。
病気とか怪我とかも基本魔法で治るし、外科的治療もそれなりに発達しているらしい。
赤ん坊の自分の立場で言うと、哺乳瓶でミルクを飲めるのは勿論、この世界で紙おむつを使えるとは思わなかった。
でも、世界観は雰囲気のベースは中世ヨーロッパ風らしい。
これは中世ヨーロッパ風の世界じゃなくって、あくまでもそれっぽい世界観だけらしい。
君ら「なろ〇テンプレ」好きでしょ?
「ドラ〇エ」とか「指〇物語」とか「ハリー〇ッター」とか好きでしょ?
そう言う事で、そんな世界感になったらしい。
それを聞いて、良く分かっている神様だな、と思った。
ちなみに「神様」の事を「神様」ってずっと呼んでるけど、これも神様からの指示です。
「名前で呼ばれるのがめんどい」「無駄に崇められるのもめんどい」らしい。
神がいる事以外で分かりやすい、前世と違う点は、この世界には魔法がある事。
魔法は基本10~15歳ごろから使える様になるみたい。
それまでは特に「使っちゃダメ」って事じゃなくて、使おうって思っても神様からブレーキがかかる。
ブレーキって事は使おうと思ったら使えるみたい。
ピーターさんの話だと使おうって人はいないらしいけど。
それでいいのか神、って言いたい。
もう一個は、この世界には所謂「虫」「細菌」がいない。
昔はいたらしいけど、これは神様が「だって虫キモイじゃん」って言って、全部魔法のエネルギーに変換したんだって。
食物連鎖も当然、蜂とか蚕の役目や細菌とかカビの役目も魔法に置き換わっている。
後、神様が「人が病気で死ぬのを見るのは嫌」って言って病気にならない様にしたらしい。
そんな感じでこの世界の人は、基本的に寿命以外では死なない。
よっぽど運が悪くて、海の真ん中で溺れるとか、一人でいる時に動物から攻撃を受けるかしたら、流石に死ぬっぽいけど、試そうって人はいない。
試した人は実際いたらしいけど、神様が助けなかった、と聞いたら試そうとする人がいないわな。
じゃあ人口が増える一方だと言うとそんな事は無い。
ピーターさんとルシアさんも夫婦じゃないって言っていたけど、この世界では結婚をする意味があまりない。
基本助け合う生活をしてるって言う事もあるけど。
それよりも、この世界の住人は、子作り、直接的にいうと「セッ〇ス」が出来ない。
でも男性も女性も自家発電、セルフバーニング、要するに「オ〇ニー」は出来る。
これも神曰く「君らそっちの方が好きでしょ?」
まあ実際、嫌いじゃ無いんで何とも言い返せない。
前世では神聖童貞だったからな!
後で気づいたんだが、シュイン人って手淫人か!
まあしゃーないか。
前世で天国と呼ばれている所って言われて信じちゃうくらい、ある意味、色んな意味で非常に都合のいい世界に暮してるんだから、それくらい辛抱するわ。
まさに「神様」
ちなみに性的行為と呼ばれるもの、で色々想像出来ると思う行為。
はやろうと思っても出来ません。
見抜きも「しょうがないにゃあ・・」とはならなかったみたいです。