お嬢様について
こんなお嬢様が居たらいいな。
ガチのお嬢様ならどんな感じなのかな。
と、思って書きました。
僕の学校にはお嬢様がいる。
それも相当の家の。
その娘の住んでいる家は馬鹿みたいにデカい。
一区画丸々家で、それ全てに白鷺城ぐらい真っ白の2メートル超えの塀に囲まれている。
その中に隠そうとしているのか隠そうとしていないのか・・・兎に角、隠れきれずに見えてしまう家の外見は日本古来のお屋敷みたいな所もあれば、洋風の城みたいな所もある。
僕的には少し趣味が悪いようにも思えるのだが、金持ちの考えることはよく分からない。
しかし、どんなコンセプトで作ったのか聞いてみたいとは思う。
その歪な城の中で過ごしているお嬢様の名前は、四楓院 柊。
それっぽすぎる名前だ。
もう『院』なんて入ってる時点で、あぁ、って察してしまう。
多分皆もそう思っただろう。
席の配置のシートにも、日直日誌にも、出席簿にも、『四楓院 柊』と言う名前が目立つ。目を引く。
そして、一線を引かれる・・・・・・・・・・・・・・・
僕もそうなりたいとは思わなかった。
名前にも縛られそうでなんか嫌だなぁ、と漠然とした感想なのだが、確かにそう思う。
実際僕がそう思ったように、四楓院 柊は束縛されている。
誰に束縛されているのか?
勿論、四楓院家である。
四楓院 柊は修学旅行にも校外学習にも、とにかく行事という行事に出席したためしがない。
それが四楓院家の意向なのかどうかはっきりとは分からないが、百発百中で休んでいる時点で、まぁそうなのだろうな、と皆そんな感じになっている。
少なくとも僕はそうだと確信している。
何が楽しくて学校に行ってるのだろうって言う感じではないか?
学校何て勉強するために行くものじゃない。だって勉強なんて教わることが無くても自分で覚えられるだろ?
学校とは本来、他と交流する場所であるはずのものだ。
他との交流が無くて楽しいのか、有意義なのかどうかは甚だ疑問である。
四楓院家の者に問いてみたい。
その疑問の答えの本質の部分もう既に出ている。
四楓院 柊は笑わない。
誰も笑った顔を見たことが無い。
小学校の頃から四楓院 柊と一緒だと言う女子生徒が『あの娘が笑ったところを見たことがない』と言っていた。
小学校の頃から、と言われて僕は納得できた。
確かにそんな感じなのだ。
表情筋が死滅していると言うか・・・どこか遠くを見ていると言うか・・・口を縫われているかのような・・・
名前で一線を引かれて、勇気をもって話しかけた者も四楓院 柊のその無表情にたじろぎ、四楓院 柊の周りには誰も居なくなってしまう。
そして、いつも一人で席に座っている。
背筋良く。無表情のまま。
無表情のまま過ごしたことあります?
僕は一日だけそういう縛りで過ごしたことあります( ´艸`)