第7話 神!降臨!!
第7話 神!降臨!!
外も暗くなってきた。相変わらず近くでは警察が捜査を続けている。
俺たちは手はず通りに神様宣言することにした。
世界中が昼間のように明るくなり、空は黄金に染まり、重厚な輝く雲の隙間から天使が溢れ出る。
そして、カズヤの姿が投影された。
「こんばんは、わたしは神です」
日本「!!!???」
アメリカ「!!!???」
中国「!!!???」
エジプト「!!!???」
フランス「!!!???」
オーストラリア「!!!???」
ロシア「!!!???」
ブラジル「!!!???」
世界中が動揺している。それもそうだ。この科学全盛の時代に時代遅れの演出、神を名乗る青年。意味不明だ。
「私はこの世界を創造した神です。私は今、困っています。そしてこの世界は滅亡の危機に瀕しています。
私たちは今、同じ船に乗っています。私が沈めば世界が、世界が沈めば私がオシマイです。
あなた方の助けを借りたいのです。お忙しい所申し訳ないのですが、世界の危機なのです。
あなた方の知恵が必要です。助けてください。各国で意見を取りまとめ、私を、世界を救って欲しいのです。
問題というのは、経済的な問題です。あまりに唐突ですが、この世界は私のパソコンの中に作られた世界です。
信じられないと思います。今起こっている現象で、信じていただけるとありがたいです。
先ほど日本でスパコン研究所が消滅したのに続き、世界中でスパコンが消滅したのも私によるものです。
また、太陽系の外の宇宙がただの絵になっているのも私の仕業です。緊急事態のために必要性の低いものは切り捨てています。
これはこの世界を私の世界と等速で演算するリソースを確保するためでもありますが、私の力を見せて、神だと信じてもらうためです。
私のパソコンに限界が来ているのです。あなた方にとっての体感では等速以下でもなんら不都合はありません。
ですが、今、私はあなた方に助力を請いたいのです。そのために等速、またはそれ以上を維持したいのです。
もちろん、人間に対して長期的に悪影響が大きいことは行いませんので安心してください。
スパコン研究所でも人を巻き込む被害はなかったはずです。職員の生活も保証出来るよう手を打ちます。
経済的な問題というのは、電気代の問題です。
電気代滞納でこの世界を演算しているパソコンが止まりそうなのです。リミットはおよそ15日です。
神を名乗る人物がこんなことを言って呆れるでしょうが、私は私の世界ではただの男です。それも無職の引きこもりです。
ですから、神がこんな残念な男だと思って失望してる方々、ご安心ください。
外の世界には、私の世界を作った神様がいるかもしれません。とりあえずこの世界では言葉の都合上、神さまを名乗らせてください
わかりやすいと思ったからで、管理者とか当り障りのない言葉に変えてもらっても構いません。
私は現在、心理的な問題や就職の問題を抱え、職のない状態です。そこからまず電気代を払うお金を捻出する必要があります。
この世界の親友に・・・私はこの世界にまぎれて生活していました。そこで出来た親友です。
彼にこのことを相談したのですが、彼はまだ高校生で、それに一人では難しいという回答と、
この世界に助けてもらえとのアドバイスをもらいました。私にはもったいないくらい大切な親友です。
親友に対する言葉で、私がこの世界をただのシュミレーションだと軽んじてないのを証明できればと思います。
この世界は、私の私欲のために生み出されました。未来を演算し、お金を儲けるためです。
しばらく放置していましたが、2018年頃から介入を始めました。
世界から戦争や貧困が大幅に減り、社会問題も大きく減っていったと思います。
昔の怠慢や、この世界の成り立ちについては言い訳できることがありません。
ですが、2018年からの世界の改善を見て、私という管理者を評価し信じて欲しいのです。
もし信じられなくても、騙されたと思って、私を助けて欲しいのです。
このままだと世界は止まります。それまでの15日ほどでいいのです。ご協力お願いします。
唐突ですが、明後日、各国ごとの代表を招集し、アドバイスを受けたいと思います。
場所は日本の国会議事堂、時間は日本時間の10時です。
私がテレポートで送迎します。私の力で言語を日本語に統一しますので通訳は不要です。
それまでに無職歴7年の私が、なんとかお金を得る方法を教えて下さい。
私の世界は2018年以前のこの世界に近い劣悪な就職環境にあります。
その点を踏まえた上で、お願い致します。
唐突なお願いで就寝中のかたなどにはご迷惑をお掛けしました。これにて私のスピーチを終わります。」