第五話 世界の破滅へのカウントダウン
第五話 世界の破滅へのカウントダウン
「どういうことだよカズヤ?」
「電気代が払えないんだ。滞納してるんだ。そのせいで15日後にパソコンが止まる。実際は通告された日から数日猶予があるから
まだ16日は時間があるはずだ」
「働けばいいんじゃないのか?」
「無理なんだ。怖いんだよ働くのが。自分にももう自信がないんだ。前の会社がブラック企業ってやつでな。そこでパワハラを受けて心と体に変調をきたして引きこもったんだ。
・・・よくわからないよな。この世界じゃブラック企業は法律でとっちめたし、パワハラも厳罰が出来たからな」
「いや、漫画や歴史の授業で見たことがあるよ。介護とか小売とか昔はひどかったって。従業員のことを考えないとか、法律も守らないとかそんな企業のことだよな?
パワハラってのも昔の社会問題として歴史で見たよ。多くの人がボロボロになったってな」
「ああ、ああ、そうだったな。そのへんは教科書にも盛り込むように改変してたんだった。」
「で、働けないってのは?ニートってのは金持ちの道楽だろ?・・・いや違うのか、カズヤの世界では。
昔の、歴史の教科書の社会問題に書いてあった職業につきたくても付けないとか、職業を恐怖してるようなニートなのか?」
「・・・ああ。恥ずかしながら。この世界じゃニートは選ばれし貴族、位の認識だもんな。
努力しようとは思う。俺はカズヤと世界を失いたくない。だけど、今から仕事を探すまでの時間と働いても、給料が入るまでのタイムラグがある。」
「そう・・・か、それで相談か」
「精神的な助けが欲しかったのもある。俺だけじゃ面接もなにもかも自信がないんだ。他の案がないかも話しあえば見つかるかもしれない。
他力本願もいいところだけどな」
「踏み出そうとしてるんだろ、一応。人間助けあっての人間さ。社会も会社も一人じゃ成り立たないさ。」
「ああ・・・ああ・・・そうさ。そうだよな。」
「でも、俺だけじゃカズヤを救えないかもしれない」
「ダメ・・か?」
「まだ理由も話してないのに落ち込むなよ、おまえらしくない」
「はは、そうだな。でもこっちが本当の俺に近いんだよ」
「昔のカズヤに、だろ。この7年のお前は俺にとって現実だ」
「ああ、そう・・・そうだよな!」
「でだ、俺だけじゃ、ってのは俺の力だけじゃ、って意味だ。俺には社会経験がない。ただの高校生だ
アドバイスするにも限界がある」
「・・・」
「世界の力を借りればいいのさ。カズヤには俺が、俺には神様が付いてるんだ。なんだって出来るさ!」