表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

よろしく、こじろうだ!

テストが終わって一段落ついた秋雨です!


二丁目の頼れるボス、こじろうを担当します!

最近、俺の縄張りに新しい奴が来た。

そいつはなんつーか・・・・不思議な奴。

自分は人間だと主張したり、名前がどうのこうの言ったり・・・・。

なんか、放っとくと野垂れ死にそうだったから、俺が面倒を見ている。

きゅるるるる・・・・。

隣で切なそうな音が鳴った。

「はら、へった・・・・」

隣を見ると、しんたの耳がへにょりと垂れ下がっていた。

もう飯時だったか。

「んじゃ、飯取りに行くか」

「マジで!?」

一気に表情が明るくなる。

こいつ、表現が大げさだから見てて飽きない。

「そういえば、一緒に行くのは初めてだったか?」

「おう!今日は何を取りに行くんだ?」

ねずみはやめてくれよ?と付け足された言葉に苦笑する。

あれは狩りの練習だから実際に食べはしねぇ・・・・と何回説明しても納得してくれなかった。

まあ、食料が何もない時には食べるが。

非常食だ、非常食。

「今日は魚にするか」

「あー・・・・・、魚、かあ・・・・」

「嫌か?なら変えるけど」

「いや、そうじゃなくて・・・・。やっぱ、生だよなぁ」

腹壊さないかな・・・とか言ってるが、いっつも食べてるもんじゃねーか。

「壊すわけないだろ。ほら、さっさと行くぞ」

しんたの首を(くわ)えて移動する。

塀の上とかを歩くときはこっちのほうが早いと気付いたのは出会ってすぐの時。

こいつに歩かせたら塀の上から降りれなかったり、屋根から落ちそうになったりで余計に遅くなる。

「うう、これには慣れない・・・・」

俺に(くわ)えられているしんたは小さい体をさらに小さく丸めて震えている。

これくらい普通だっつーの。

「着いたぞ」

しんたを下す。

「ここって、魚屋じゃん」

「ほら、あそこに今日の飯がある」

前足で魚が積みあがっているところを差す。

「・・・・・なあ、まさか」

「ちょっと待ってろ、取ってきてやるから」

何か言いかけていたしんたを置いて、走る。

ヒトは・・・・気付いてない。よし、今だ。

魚を2尾銜えてしんたのところに帰る。

「ん、喰え」

しんたの足元に1尾おいて、俺は残った1尾を食べる。

「それって、泥棒じゃん・・・・・!」

うあー、と頭を抱えているしんた。

「は?」

食べるのを中断して顔を上げる。

「あれは売り物なんだから、金を払わないといけないんだよ!」

金ぇ?

「なんだ、それ?」

「あー、うー、勝手にとったら駄目なやつなんだよ」

「取られたくないなら隠せばいいだろ。隠してないんだから取られても文句は言えないだろ」

そこまで言って、また飯を食う。

やっぱここの魚はうまいなー。

「そうだよな、動物の世界にお金なんてないもんな・・・・・。魚屋のおじさん、取っちゃってごめんなさい・・・」

しんたはぶつぶつ言いながら魚屋・・・・だったっけ?のほうを見てる。

どうでもいいけど、その魚喰わないなら俺が喰うぞ?

やってみたかったんです、これ。

猫が魚を取っていくのはこんな理由・・・・だったらいいなーと。


次は夕さん!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ