こんにちはぁ、ゆーすけです!
夕です。
KYわんこ「ゆーすけ」担当です。
よろしくお願いします。
えっと、こんにちはー。
ぼくは今急いでいるところです。
すごい急いでるの。
どれくらいって?ごはんの時間に遅れそうになった時ぐらいかなぁ。
あ、おなか空いてきたぞ。
「むむふぁ!ふぃへほふぇ!」
目的地に到着。
捜していたひとは…いたいた。
「なあ、ゆーすけ。何が言いてぇのか全く伝わらないんだが」
「むむ?」
「いいから。そのくわえてるもんを置け」
そう言われて持ってきたものを置いた。
「こじ君、ほめてー。ぼくね、この子初めて見たからつれてきてあげたんだよー」
「あばばばばばば……」
わーすごい勢いで震えてるー。ぼくそっと運んだつもりだったのになぁ?
こじ君が登っていた木の上からぽーんと飛び降りてきた。
「確かに見たことねぇ顔だな」
こじ君はこのあたりのドンってやつなんだって。
だから口が悪いって誰かに教えてもらったことがあるよ。
「どっから来たんだ」
わあ、こじ君目が怖いよー。
でもそんなこと言ったらガブッてされるから言わない。
「ね、ねねねね猫が…!喋っ、喋って…!」
「ああ?」
ぼくが連れてきた白い子はこじ君が睨むと大人しくなっちゃった。
「ねーねー白い子猫さん。君はなんて名前なの?」
「あ、おい、ゆーすけ。今は俺がこいつと」
「ふわふわしてて美味しそー」
「無視すんな!」
ぼくはにこにこしながら聞いたのに子猫さんはまた震えてる。おかしいなー。
「犬まで喋って……もう嫌だ…」
「犬じゃないよーラブラドール・レトリバーっていうんだよ。それより名前教えてよー」
「……心太」
「おおーしんた君かぁ!」
でもなんか、しんた君元気ないなぁ。
こじ君が怖いからかなぁ。
「こじ君バイバイして」
「なんでだよ!」
また怒られた。
ぼくは毎日こじ君に怒られるんだ。そんなに怒ってたらいつか禿げてツルツルになっても知らないんだからね。
「で。しんた。そろそろ俺の質問にも答えてもらおうか。この二丁目では見かけないやつだが、何処から来たんだ?」
しんた君はこじ君の怖い顔に慣れてきたのかな、やっと普通に答えてくれた。
「そこ。その角の…家」
かわいい前足で指したのはすぐ近くの家。
「なんだ、新入りの飼い猫か。そりゃ俺が知らなくても…」
「いや、えーと。そうじゃなくて。あの家の住人というか?飼われる側じゃなくて飼う側というか?」
んん?
しんた君てぼくより小さいのに難しいこと言うなー、なんかわかんなくなってきたぞ。
「もともと人間してたんだけど…学校帰りになんとなく窓ガラス見たら猫になってた…みたいな?」
こじ君ならわかるのかな。
なんかいつも難しいこと言ってるし。「野良の会
」っていう猫の集まりで。あの集まり、ぼくもたまに混ざってみるんだけど、いつも眠くなっちゃうんだよねぇ。
「―――なるほど」
う?
上から降ってきた声に反射的に見上げると、あっ。
「チッ…うるせぇのが来たぜ」
「ロレンツォだぁー」
「ロレンティーノです、よ!」
とまっていた電線からなんかかっこつけて飛んできたツバメさん。
よくぼくと遊んでくれるロレンツォ、です。
こじ君はうるさいって言うけど、いつもいろんな話してくれておもしろいんだー。
「して、そこのお嬢さん」
「男です」
「…そこの君。あなたは人間だと、そう言いたいのですね?」
「はい。……もうツバメが喋ってるとか突っ込まないぞ、オレ。突っ込んでたら身がもたねぇ…これは夢だ夢だ夢夢夢夢」
なんか瞬きせずにブツブツブツって。
ぼくこれ知ってるよ。おきょーっていうんだ。
うちの人がね、やってたの見たことあるんだぁ。
「私は長年この二丁目を見てきました…ええ、あなたのような方に会ったことが…………ありませんね」
「ねぇのか!!役に立たねぇなロレンティーノ!」
「おっと、こじろうさん。そんなに前足を振り上げなくとも私の美しい羽なら後でいくらでも触らせてあげますから」
「えっ!いいのぉ?ぼくもぼくもー。ぼくもロレンツォの羽むしゃむしゃしたーい。ねー、しんた君もおいでー」
ぼーっとしてたしんた君もぼーっとしたままこっちに歩いてきた。
いっしょにむしゃむしゃしよー。
「オレ、戻れないのかな…」
「おうち?ぼくも探してあげるから安心してー」
「いや、おうちはあそこ…」
「あー!ロレンティーノ逃げたぁ!」
所町天区二丁目の《にぎやか3匹》が《にぎやか4匹》になったって二丁目でうわさになったらしいけど、なんの話なのかなぁ。
こじ君に聞いてみよー。
しんた君はたぶん戻れないと思います。
こじ君がかわいいです。大好きです。
次は緋絽さん。お願いします。