異世界
竜:「えぇ~⁉ここってゲーム内のうちのチームの基地じゃん」
画面越しに見るのと、実際にゲームの世界に入ってみるのは、随分と違うものだ。
竜:「それにしてもこの基地広いよな」
竜が感心していると基地のドアの向こうから足音が聞こえた。しかも1人じゃない複数いるようだ。
小走りしているのか、足音のスピードが速い
足音か大きくなるたび胸の鼓動が高まる。
タタタッ
バンッ!
ドアが開いた。
「誰かいるか!?」
いかにも頼れそうな身長の高い男性とその人を囲む人達がいた。
「おお。また1人見つけた。大丈夫か?」
竜:「大丈夫です。ていうかあなたは…?」
「俺か?俺は二階堂タケル。んで、このゲームの世界のオンラインネームはクロム」
「え、えぇ~~」
クロム:「そんなに驚くなよ…」
竜:「て事は、貴方の周りにいるこの人達ってもしかして…」
クロム:「あぁ。チームメートの4人だ。よろしくな!」
竜:「でも、誰が誰だか分からないんですが…」
クロム:「あぁ、すまなかった。じゃあ簡単に紹介するな。このメガネを掛けたいかにもオタ…いや、秀才みたいな顔してる男が、ラドン。んで、この女がゲーム大好き何事にも全力で挑む手加減知らずのテルル。んでもってこの顔や性格に特徴がなく、いかにも平凡な顔してる男が、メタンだ。最後に顔も性格もキツイこの男がキルだ。とまあこんなもんかな」
竜:(うゎ~大分酷いこと言ってるよ…これでよく周りの人達平然としてられるよな…)
竜:「ハッ…ハハハよく分かりました。ありがとうございます。」
竜は礼をいった。内心笑いをこらえていた。
竜:「ここは本当にゲームの世界なんですか?なんかまだ実感ないな」
テルル:「えぇそのようなんだけど…」
テルルが何か言いかけた
竜:「けど、なんですか?」
キル:「気づかないのか?俺達のステータスや武器、防具まで全て初期化されている」
ラドン:「残っているのは、この基地だけ。しかも、俺達は生身の体」
竜:「そうか!じゃあ、どうすればいいんですか?」
メタン:「分からない。だから街に出てどうすれば、元の世界に戻れるかを考えようと思うんだか…」
その時、竜は腕時計型の通信機がなっていることに気づいた。
竜:「なんだ⁉」
クロム:「みんなの腕についてるぞ」
竜:「でも鳴っているのは俺だけだ」
メタン:「とにかくでてみろ」
竜はメタンに言われて出てみた。
ブブーブブー
「ようこそ諸君。モンスターズブラッドの世界はどうかな?」
竜:「誰なんだ⁉お前は」
「名乗るのは、お前らの実力を知ってからにしよう。お前らが元の世界に戻りたいなら、やることは一つ、このゲームのBOSSサニードラゴンを倒せ」
キル:「サニードラゴンを倒すだと⁉」
「あぁ。だが、今の状じゃ無理だろうな。何せお前らのステータスはこの世界じゃ初期化されているからな」
テルル:「なぜ、私達はこの世界に連れ込んだの?」
「いいだろう。それだけは教えてやろう。
お前達は、実験に使われている。お前達は知らないかもしれないが、今ゲームプレイヤーは増え続けている。だが、一部のプレイヤーはただプレイするだけというのに飽きている
そこで、我々は体感するゲーム仮想現実ゲームを開発した。
その試作品のプレイヤーとして、貴様らをモンスターズブラッドの世界に連れ込んだ」
竜:「つまり俺達は、実験台ってわけか…フッ
上等じゃねえか‼ぜってーこのゲームクリアしてやる」
「一つだけいっておいてやろう。お前ら死んだらおしまいだからな」
プチッ通信が途絶えた
ラドン:「つまり、ゲームをクリアすればいいんですよね」
ラドンが冷静に言うと
キル:「やってやろうぜ。あいつ気に食わねえ
からよ」
とキルがキレ気味で言った。
そして、全員でこのゲームをクリアするために竜、クロム、テルル、ラドン、キル、メタンの6人はモンスターズブラッドの世界に旅立った