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#0008 休息と再出発 / Rest and Relaunch

短い……。Mod開発の方が忙しいからどうしてもね。

Perspective: Cernn


僕の任務は終わり。エーテルヌムのやつらが周囲を壊して回って

いたようだったから、もしかしたらまだ見つかってない通路でも

露出していたらと一瞬考えたんだけど、さすがに探すにしても

報告を済ませてからだね。


あの伝令官──名前はわからなかったけど、

執行官とは長い付き合いだったのかな。


正直言って、彼らが今も本来の目的のために

戦っているとは思えないよ。


最初は自分たちは時代遅れなんかじゃないって、

それを証明するための運動だったはず。


でも、もう種としての覇権を取り戻すなんて建前でしかなくて、

今更後に引けず続けているだけじゃないの?


まあ、今は忘れよう。


裂け目の外まで上がってみると、南の空に流光の姿が見えた。

航空隊はすでに着艦、収容を始めているみたいだ。

そして、眼下の荒れ地にはいくつかの骸が砂に埋もれている。

誰かを殺すことに躊躇はしないけど、見てて気分のいいものではないね。



そうやってどんよりとした気持ちで地上を見下ろしていると、

その中に飛行機械の残骸が混じっているのに気付いた。


一瞬降りて操縦士の無事を確認しようかとも思ったんだけど、

操縦席の風防が飛んでいるから脱出はできたらしい。


落下傘も周囲には見えないから、近くにいた飛行兵が

回収したのかな? それなら大丈夫か。


うん、親鳥の元へ帰ろう。結局燃料缶もほぼ使い切ったし、

もう一度補給も頼まないと。




流光が北へ向かって飛ぶのと同様に、僕は南へ向かって飛ぶ。

相対速度のおかげで着艦アプローチまではそれほど時間はかからなかった。


……おや、また発光信号だ。内容は…………。


"上部飛行甲板ヘ 着艦ヲ 許可 操舵室ヘ 報告セヨ"


ハフィルのやつ、今度は操舵室にいるの?

多分王国軍のじっとしていられない指揮官リスト上位には入ると思うよ、君。




気を取り直して流光を正面に捉え、左翼を飛び越えて背面へ回りこむ。

その時、ちょうど艦首部、操舵室の窓越しにハフィルと目が合った。


"期待通りの結果だ" とでも言いたいのかな?


こちらも耳を少し広げて挨拶を返しつつ、

流光の背後について着艦の最終アプローチへ。


昨日とは違って今回使うのは上部飛行甲板のほう。

後部ランプから伸びている誘導灯は後ろへまっすぐと伸びて、

ほとんど揺れていないね。


気流の安定を確認したら、少しずつ近づいて、

ご丁寧に伸ばされた止まり木を足で掴めば着艦成功。


最初は独特な降り方で驚いたけど、もう慣れたものだよ。


しっかりと止まり木が床まで降りたのを確認して、格納庫へ入る。


中ではすでに帰還した飛行機械の整備や点検が始まっていて、

駐機場の近くでは戦闘飛竜隊の

飛行兵たちが集まって何やら騒いでいる様子だった。


はっきりとは聞き取れないけど、たぶん戦果の自慢話でも

しているのかな? 飛行機械が1機落ちたからその話かも。


よく見ると飛行機械の操縦士も混ざってるし、航空隊では恒例なのかもね。

少なくとも暗い話ではなさそう。


思えば、コロニーの方ではよく狩猟隊のみんなが

仕留めた獲物を見せてくれていたっけ。懐かしいな。


少し話に混ざってみたい気はするけど、今はハフィルに

報告するのが先だね。操舵室へ行こう。


ここは上部飛行甲板だから、一番奥、艦首側の階段を下りて中層甲板へ。


艦内の空気は出撃前よりも少しだけ暖かくなっていて、

操舵室への道中では人型種族のクルーたちが

あちこちで配管の点検をしているのが見えた。


あれだけの威力の光を放つんだ、それは冷却液も熱くなるよね。


……そういえば、この鉄の光はどういうわけか

ほとんど発熱しない。なぜだろう?


今より優れた技術を持っていた第二の文明の遺物とはいっても、

どんな技術が使われているのか不思議だよ、本当に。


さて、旅をしていると疑問は絶えないけど、

とりあえずはそのまましばらく艦内を歩いて操舵室へ。


「戻ったか。ご苦労だったなセルン」


丈夫な金属の扉を開き、中へ入るとすぐハフィルに出迎えられた。


「うん、おかげさまでね。航空隊と流光があいつらの相手

をしてくれていなかったらここまで早くは済ませられなかったよ」


「そうだな。こちらとしても、流光自身の戦闘力を実戦で

検証できたのは大きな収穫なのだ。

クルーたちもこれでこの艦の能力に自信を持てたことだろう」


実際、僕が単独で暗殺に出向いたんだったら、

あんな簡単にはいかなかっただろうからね。


ドラゴンたちの火球や火炎は僕たちワイバーンには当たらないけど、

彼らが強引に身体を持ち上げるための突風はね。


受け流せはしても機動を制限されてしまうし、

標的が逃げる時間を作られてしまう可能性は高い。


航空隊が乱戦で時間を稼ぎつつ流光を前に押し出して、

砲撃で一気に片付けるっていうハフィルのやり方は……確かに効果的だった。

ちょっと攻撃的すぎるけど。


「じゃあ、これで僕の仕事は終わりでいいのかな? まあ目標の

死亡確認が残ってるだろうけど、他にないなら僕は旅を続けるよ?」


「ああ、そうなるな。私としてはお前を疑ってはいないが、

一応既に観測機を出してある。じきに報告が来るだろう」


念のためもう帰ってもいいか聞いてみたけど、うん、問題なさそうだね。

今のハフィルは……何というか、プライベートな時の彼に近い。


「──さて、報酬の方だがな、

上部飛行甲板の物資担当官に会うといい。きっと気に入るぞ」


そんな彼は、一拍置いてから報酬のことに話を移した。


彼の種族には表情というものはないけど、

それでも隣にいる僕を、首をかしげるようにしながら

見つめるその視線は……なにかいいものを用意してくれたに違いないね。


「へぇ、それは楽しみだな。じゃあ、僕はいくよ。

ついでに再補給も済ませてからね」


「うむ、気を付けてな」


耳を広げて少々大げさに礼を言う僕に、ハフィルは優しく別れの言葉を告げた。


ハフィルは……いったい何者なんだろう。


操舵室を出て、上部飛行甲板まで戻る中で、

以前からの疑問がまた浮かび上がってくる。


彼の種族は唯一無二で、実際のところ

どこの出身なのかもわからないんだ。


見た目はイヌワシという鳥によく似ているんだけど……明らかに

大きさが違うし、僕たちと同じように言葉も話す。


そして、生き物とは思えないほど力が強くて、

それ以外でも旧文明の遺物にかなり詳しい。


もしかしたら旧文明の生き残りなのかな? でも、彼は遺物の機能を

知っていて知らないふりをしている感じじゃあないし、

どちらかと言えば似たようなものを

たくさん見たことがあるというか、そっちの方だ。


正体が何にせよ、明らかに普通じゃない。


こういう謎も、旅を続けていれば何か見つかるのかな?

最初はただ遺跡探索がしたくて始めたこの旅も、

今では遺物集めに研究に……。


ただ過去を感じるんじゃなくて、過去を知って、

活用する。そんな形に変わっていった。

そして、知れば知るほど謎は深まっていく。


この土地、この世界は間違いなく何かが変だ。


次の機会に一度王立考古学研究所に立ち寄ってみるのもいいかもしれない。

でも、今はとりあえず補給を済ませて、

ハフィルからのサプライズを受け取って、だね。


コメント: この世界はファンタジーな世界ではあれどかなり技術水準が高めです。


合理的な研究と先駆文明の解析、

魔法と機械の複合技術で支えられた多種族社会

というものをやりたかった。


基本的に人型以外の種族も広く受け入れられていますが、一つだけ超排他主義、人類至上主義国家が存在しており、そのうち登場するかと思います。

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