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インドネシアで伸びきって  作者: ことぶき神楽
9月8日

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24 パンガーパインの巨大な手

 ジョンブラン洞窟体験が、意外と時間がかかったようで、昼食を終えたときには、13時を過ぎていました。

 ぬかるみを歩き、カミさんも娘も「チカレタ~」とばてています。

 次に向かうパンガーパインを検索すると、明らかに「山」なので、相当な距離を登るのなら、キャンセルしてもいいかなと話しています。

 アフィフさんに尋ねました。

「たくさんは歩かない。5分くらい」と笑顔で答えます。その笑顔、ホントかな。


 車は、山を下り、市内に戻る道を走ります。

 カミさんと娘は、後部座席で気持ちよさそうに寝ています。

 アフィフさんは、助手席に座るわたしに時折話し掛けてきますが、Rがすべて巻き舌になる英語なので聞き取れません。「木」は「トゥリー」ではなく「トゥルリリッー」です。


 市内まで半ばというところで、車は左折します。

 道は、急な上り坂となり、すぐにジョグジャカルタの街並みを見下ろす景色が広がります。

 左カーブを大きく曲がり、坂を登り切りました。

 車は速度を緩め、奥に向かって下り坂になっている砂利敷きの駐車場に入ります。

 着いたようです。


 車を降り、アフィフさんを先頭に道を渡り、遊歩道を登ります。

 言葉どおり、5分ほど歩くと、市中を一望できる展望台に出ました。


 そこは、松林の中に萱のようなもので造られた数々のオブジェがある公園でした。

 巨大な手のひらやグッドマークの形をした展望台、三角形の中をくりぬいたトンネルや、イカのような小屋……ああ、説明しにくい。

 風変わりなオブジェが続きます。


 夕方近くになり、観光客も少なく、ゆっくり散策できました。

 アフィフさんは、35歳なんだ。

 アフィフさんは、わたしたちのためにスマホで写真を撮ってくれています。笑ってとか、もう少し右にとか、手を挙げてとか、なかなか注文が多い。

 もう怒っていないから、そんなに気を遣わなくてもいいよ。


 車へと戻る遊歩道を歩きながら、アフィフさんが「おいしいコピ・ルアクの店を知っているが、寄っていきますか」と気を遣ってくれます。

 反射的に「お願いします」と答えましたが、この台詞、ブディさんも言っていたことを思い出します。

 気遣いではなく、お土産さんへの誘導だったか……

 しかし、喉も乾いているし、誘いに乗ることにしましょう。

 車に乗り込み、山を下ります。


 アフィフさんが運転しながら「インドネシアにはいつまでいるのか」と聞いてきます。

「10日の飛行機でジャカルタ経由で日本に帰る」と答えます。

「明日は、どこを観光するのか」とアフィフさん。

 明日は、プランバナン寺院のチケットを取っている。午後早い時間のバスで行き、寺院を見学して、そのまま夜にラーマ・ヤナ舞踏を鑑賞して、市内に戻る予定でいる。

 そう話すと、舞踏が終わる時間は21時を過ぎるので、バスも鉄道もなく、タクシーもつかまらないとアフィフさんは言います。

「ぼくが、連れていき、終わるまで待ち、ホテルまで送ろう」と提案してきました。

 たしかに、帰りの足は自分も心配していたところ、真摯なカメラマンの姿勢に感謝もしているので、反射的に「お願いします」と答えます。


 車は30分ほど走っています。

「もう少しで、コーヒー店です。あれが、プランバナン寺院です。きれいでしょ」とアフィフさんが言います。

 正面にプランバナン寺院が見えてきました。


 さっきの話、聞いてた? 明日行くって言ったよね。

 でも、指差すアフィフさんの嬉しそうな横顔見たら「まっ、いいか」と思えてきました。


挿絵(By みてみん)

 ここに書かれているのは、令和7年7月から9月にかけての情報です。渡航される方は、入国審査等の手続や必要な書類、イベントのスケジュールが変更されている可能性がありますので、必ず最新の情報を確認してください。ネット上の古い情報に注意してね。

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