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ブックマーク・ヒーロー ~旅の相棒は三匹のこぶたの悪いオオカミ~  作者: 狼越 佑
第1章~【三匹のこぶた】と【赤ずきん】編~
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Story4 ー森の義賊と木の墓場ー

Story4 ー森の義賊と木の墓場ー


赤ずきん「その本は…私が持つべきものなのに……………お前が持っていていいものじゃねぇんだよ!!!!!!!」


豹変した赤ずきんは

ジークの本をめがけて飛び込んでくる



その時、



ヒューーーーーン!!!!!




緑色の風を纏った鋭い矢が二人の間を遮る。



赤ずきん「だぁれだぁぁぁあ!!!!?!!!」



???「まぁまぁ、そんなカッカなさんな!赤いお嬢さん。」



赤ずきん「!!!!!

…お前は………ロビン・フッド…!」



矢が飛んできた先に居たのは、

灰色の上着に焦げ茶色のズボン

革製の茶色の斜めがけ鞄を身に付け

木製の弓を持っている。

くすんだ深緑色のフード付きマントを身に纏った男だ。


今のところ登場人物…

…みんなフード被ってないか?


いかんいかん。それは一旦置いといて。


フードを被ったその男は

『ロビン・フッド』という名前らしい。

身長が高く歳は30代ほど

見つめていたら吸い込まれそうになるような

深緑の瞳に、ダンディな顎髭が特徴的だ。

フードの間からは茶色のはねた髪の毛が少しだけ見える。


〖弓矢〗を使う『ロビン・フッド』…


…これあれだ…絶対あの人だ…

…イングランドに伝わる

伝説の英雄『ロビン・フッド』。

シャーウッドの森に住み、

悪政に苦しんでいた民を救った義賊であり

弓の名手である、あの伝説の英雄だ。



ロビン・フッド「んで!そちらのお兄さん方!」



佑「はいぃ!」



ロビン・フッド「ここは、おじさんに任せて

          ズラかりなさいな。」



赤ずきん「あ!?!あんた何言ってんのよっ!!!邪魔しないで!!!」


赤ずきんは手に持っていた木のかごから

赤茶色のピンポン玉程の大きさの岩を3つ

取り出し豪速でロビン・フッドに投げつける。


すると直後

パァン!パァン!パァン!

と大きな破裂音が藁の草原に鳴り響く。



土煙が収まると地面に現れたのは

先ほど赤ずきんが投げた3つの割れた赤い岩と

《3本の矢》。


何が起きたのか分からない…

ロビン・フッドは全く動いていなかった。

いや、正確に言えば動いていないように見えた…

だが目の前にあるのは紛れもなく赤ずきんの攻撃を射ち落としたロビン・フッドの3本の矢だ。



赤ずきん「てんめぇぇ"え"!!!…ッ!!!」

赤ずきんが急にフラつきだす。


ロビン・フッド「おおっと!赤いお嬢さん!あんまり動かない方が良いと思うぜ。動けば動くほど痺れが全身に行き渡って動けなくなるからな。」



よく見ると赤ずきんの腕から血が流れている。


赤ずきん「…!?さっきの矢に何か細工したな!!!!!!…」


ロビン・フッド「おっ!ご名答♪細工も何も

ちょーっと森の恵みを矢に塗っただけさ♪」


ロビン・フッドはシビレ草から採った

強力な痺れ薬を矢尻に塗り

先ほど赤ずきんがジークに跳びかかろうとした際、仲裁と見せかけて赤ずきんの腕にかすらせ痺れ薬を彼女の体内に浸透させていたのだ。


その弓の正確さ…流石は伝説の弓の名手だ。


ロビン・フッド「ほら、お兄さん方!ぼーっとしてないで!ほらっ!行ったいった!」



そうロビン・フッドに言われたジークは

すぐさま俺を抱え直し藁の草原の奥に広がる森に向かって全力で走りだした。



赤ずきん「…ま、…ま…ちなさ…いよ………」


ドサッと音と共に赤ずきんは倒れ込む。




ロビン・フッド「…………………。

…さぁて、これから忙しくなりますねぇ。

…おじさん寝てたいのになぁ……まぁでも…恩義は返さないとだよなぁ……ふぁ~ぁっとぉ…」

大きなあくびをした後

ロビン・フッドは歩きだし風と共に姿を消した。





カァー カァー カァーカァー

カラスの鳴き声と共に

ゼェ…ハァ…ゼェ…ゼェ…ハァハァ…ハァ

ジークの荒い呼吸音が聞こえる。


ジーク「…ハァ…ハァ…ここまで来れば…大丈夫だろ……ハァ…」


そう言いながらジークは脇から佑を下ろし

地面に座り込んでしまう。


佑「ジーク…ありがとう。

  抱えて走らせてごめんね。」


ジーク「あ?別に謝ることねぇだろ。

    俺が勝手にしたことだ。」



ジーク…きみ…まじで良い奴だろ…

狼なんかこわくねぇよ。むしろ愛しいよ。



佑「…!!…ほんとに…ありがとう!」



ジークの優しさに胸をほっこりさせながらも

冷静になった俺は辺りを見渡し

今の状況の把握をすることを最優先させた。


森の奥、差し込む光の少ないこの場所には

一面に木で出来た墓標のようなものが並んでいた。真新しいものもあれば、苔が生えたものもある。




ジーク「ここは…

  【木の墓場/ウッド・グレイヴヤード】

      …俺の仲間たちが眠る場所だ。」






いままでにみたことのない寂しげな表情で

ジークは今までの事を話し始めた。





Story4ー森の義賊と木の墓場ー

Story4 ー森の義賊と木の墓場ー

お読みいただきありがとうございました!

今回は僕の大好きな英雄、ロビン・フッドに

登場していただき助けていただきました。

今後も彼はあらゆる場所で助け船を出してくれるに違いないです!僕はそう信じてます!


次回は、ジークの回想が入ります。

なぜ、現実世界に彼が居たのか、木の墓場眠る仲間たちとは…次回も読んでいただけたら嬉しく思います。


「続きが読みたい」「ちょっと気になる」と

思っていただけたら、★やブックマークをいただけたらめちゃくちゃに嬉しいです!!!

宜しくお願い致します!

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