Story2 ー藁の草原ー
Story2 ー藁の草原ー
「…ぉい。」
「おい!!!!!!」
ハッ!!!
佑「はぁい!!!!(声裏返った…)」
男の大きな声に俺の意識が戻ってくる。
すると男は唐突に
意味のわからないことを言ってきた。
???「お前…俺たちの言葉…話せたのか??」
佑「??????????ん?」
フードの下から姿を現したのは、
フサフサの大きな耳に
鋭いイエローゴールドの瞳。
顔全体を多いつくす焦げ茶色の体毛に
大きく前に突き出た口…
…オオカミだ。
…オオカミ男だぁぁぁぁぁぁあ!!!!!
うおおおおおおお実在したんかぁぁぁあ!!!
かっけぇぇぇぇぇぇえ!!!!!!
前記しておく…
俺はケモナー属性も持ち合わせている。
オオカミ「おいって!!」
佑「あぁ、ごめんなさい……えっと…なんでしょうか?…」
オオカミ「だから!お前俺たちの言葉話せるのか!って聞いてんだよ!!」
佑「俺たちの言葉を話せる…?…えーーっと…
いまいちよく意味が分からないのですがー
…いま話せてるってことは…きっと…
…そういうことなんじゃないですかね…?」
オオカミ「お前さっきぶつかってきた奴だよな?あの時はワケわからねぇ言葉話してたじゃねぇか!」
……あの時…ワケわからねぇ言葉…?…
え、どっち??
きょどって噛んだから聞こえなかったパターンなのか、そもそも本当に違う言語に聞こえていたのか………うーん…とりあえず状況を整理させてもらおうかな…
暗闇ドンッ!本がピカッ!目を開けたらそこは、一面薄茶色と黄緑の草原…目の前には大きなオオカミ男…
…
…
…
…うん、とりあえず俺的状況整理の結果
導かれた結論は…
ここは間違いなく《異世界》だということ…
きっと異世界召喚か異世界転移の類いとみて
ほぼ間違いないだろう。
漫画やアニメ、絵本に小説にゲームに映画と
伊達に何十年も友達を続けていない。
因みにこっちに飛ばされてから、
心なしか俺の話し方が流暢になったのも
ここには俺を知ってる人だーれもいない!ひゃっほーう!と調子に乗っているからだ。
そして既にお気づきかと思うが
異世界に飛ばされてきた時と
オオカミの姿を見た時の
脳内キャパオーバーは、
恐怖や不安から来るものではなく
幼い頃からずっと夢見てた異世界に来れたかもしれないという現実をまだ受け入れられず脳内自問自答を繰り返していた為だ……
…要は興奮していたからだ。
とりあえず念には念をいれて
事実確認から始めよう。
佑「あのう…ちょっとまだ混乱していて…さっきのオオカミさんの疑問に対しての答えも正直、俺自身も何が何やら分かってなくて…」
オオカミ「……ークだ…」
佑「ん?なんて?」
オオカミ「だから!ジークだ!!!
ビッグ・バッド・ウルフのジーク!!!
俺の名前!!!」
ビッグ・バッド・ウルフって…
三匹のこぶたのオオカミ!?!
ジークと名乗ったその二足歩行のオオカミは
どうやら童話〖三匹のこぶた〗に登場する
オオカミ『ビッグ・バッド・ウルフ』っぽい。
だって同じ名前だし。きっと本人だろう。
いやまだ分からんけど多分きっとそうであると信じてる。そうこれはただの俺の願望。
佑「ああ!それはそれはご丁寧にどうも。
…それであのう…ジークさん…?」
ジーク「……さんはいらねぇ……
……ジークでいい…。」
佑「あぁ…じゃあ…お言葉に甘えて…
えっと…ジーク。
いくつか聞きたいことがあるのですがー…
よろしいでしょうか?」
ジーク「ん?なんだ?
…俺に答えれることなら答える…
…とりあえず言ってみろ。」
そう言うとジークは腕組みをしながら
どこか近所の兄ちゃんのような優しい声色で
そう答えこちらの言葉を聞く姿勢に入った。
…見た目にそぐわず
優しいオオカミなのかもしれない。
佑「ありがとうございます。
単刀直入にお聞きしますね…えーっと…
まずー…ここは何処でしょうか?」
ジーク「敬語にしなくていい…
…サブイボ立つからやめろ……
…ここは【グリム大陸】にある国の一つ
【レッキング】
俺たちウルフ属とピッグ属が暮らす国だ。
そしてこの場所は【ストローステップ】という藁の草原だ。」
いきなり新しい単語連打されて
一瞬、太○の達人が頭を横切ったけど。
とりあえず分かったことは…
…やっぱりジークめっちゃ良いオオカミじゃん。
そして…そうですね…はい…
ここ、間違いなく異世界ですね。
あらま。こりゃ大変だ。
あまりにも突然すぎて
心が追いついてきてないね。
まるであの語彙力が置いてかれているイラストのように。
…夢にまでみた異世界に
ついに来てしまったのね俺。
頑張って生きてきて…良かった…。
俺は天に向かって手を合わせた。
ジーク「………何をやってるんだ?…」
その一言にふと我に返る。
佑「すみません。
ちょっと気が動転してたんですけど
もう落ち着きましたので大丈夫です。
…えーっと…
色々と細かく聞きたいこともあるけど
それは追々聞かせてもらうとして…
とりあえず…なんで俺はここに来てしまったのだろうか?なにか分かる?…」
ジーク「それは…」
ジークが何かを言いかけたその時…
???「あっれれー?ジークちゃんじゃーん!」
突如として
カン高い女性の声が割り込んできた。
声の方を見るとそこには
真っ赤なずきんに
赤茶色いまだら模様が入った白いスカート
木で出来たかごを持った少女が
満面の笑みを浮かべながら
こちらに向かって歩いてきていた。
俺には分かる。これはヤバイやつだ…。
歩いてくるその少女…
見た目は『赤ずきん』そのものだが
何か雰囲気がおかしい…
赤ずきん「最近ずーっとジークちゃんのこと探してたんだけどー。どこ探しても見つからなかったんだけどなー!」
赤ずきん「ねぇ、どこにいってたの?」
佑「え?」
先ほどまで遠くにいたその声は
一瞬の間に、隣から聞こえてきた。
Story2 ー藁の草原ー
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