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「私の依頼はひとり残された妹をこの世界に呼びたいの。でもどの移動魔法でも私の世界には行けなくて、でもルドルフさんの噂を聞いて。ルドルフさんに会うの怖かったけど勇気だして良かった。」
会うのが怖いだと。こんな品行方正に生きている僕に。昼間にちょっと酒飲んだり、ベンチに座って人間観察したり、好きな本に没頭して3日間引きこもったり、友達少なすぎて独り言が少し多いだけじゃないか。
俺、何週間ぶりにロドリゴや店員さん以外の人と話したんだろう。
数少ない友人は皆、この国では珍しく激務に追われていて会うのも数か月に1度
なんか涙出てきた。
「ルドルフさん 大丈夫ですか?」
涙出てきた理由、恥ずかしすぎる。
咄嗟にあくびを大きくかいてごまかす僕。
「大丈夫 少し眠いだけだから。」
そして穂乃果の依頼について考える。