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僕の心は踊る。いつも武器屋のロドリゴぐらいしか客がこなくて異性が来たことにウキウキしているんじゃない。ロドリゴが筋肉ムキムキの男だからって僕の店に来てくれるなら皆大事なお客様だ。決してそうではない。女の子が来たからじゃなくて単純にお客様が来てくれたことに感動しているのだ。僕は誰に対して必死に弁明しているのか。自分でもアホだと思う。
年齢は僕と同じくらい。
身長は僕より少し小さめだけど女性にしては大きい。165㎝はある。
穏やかな表情 ふっくらした赤みを帯びた頬 小さな顔立
珍しい髪型だ。ゆるくフワフワした茶髪が肩までかかり、前髪のせいか小顔を更に強調する。吸い込まれるような黒い瞳
美しい女性というより見たことのない初めての女性だった。
彼女は僕を見つめながら不安交じりに問いかけた。
「移動魔法が得意なルドルフさんですか?」