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ビクッと背中が震えたのがわかる。
強く言いすぎたのは少し反省しないと。
穂乃果は黙っている。そりゃそうだ。妹がこんな状態なのだからあまりに深刻な事なのだろう。
少しの間 沈黙 僕も言葉が見つからない
微妙な空気が広がっているなか子供の1人が声をあらげる。
子供達の中で最も衣服がボロボロで顔が大きく腫れた1人の少年
歳は穂乃果よりかは年下だろう。あどけなさがまだ残っている。
この場にいる子供達は死んだ目をする子がほとんどなのに彼の眼は好戦的で光が残っている。
「俺達はこれから売られるんだよ おじさんはいったい誰なんだ」
おじさんだと僕は20歳だぞ。まったくと思う所はあるが真っすぐ少年をみてなるべく落ち着いたトーンで少年に返事をかえす。
「僕の名前はルドルフ 何でも屋だ! 売られるってどういうことなんだ?」
憤怒に顔を歪め少年は僕に怒鳴りつけてくる。
質問がバカバカしいものなのか それとも的を全くいていないから怒ったのか強い口調で僕にあたる。
「おじさんバカなの?見れば分かるだろ そんなのも分からないのかよ?ここにいる皆はゴミのように扱われて最後は死ぬんだよ 俺達の運命は決まっているんだ もう放っておいてくれ」