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穂乃果と一穂はお互いに抱き合い大泣きしている。
僕の存在忘れてなくない?というツッコミは置いておいてこの異様な空間と臭いが気になり周りを注意深く見渡す。
人の気配がする。それにたくさんだ。影 無数の
一穂にばかり気がいったせいか全然、気づかなかった。
普通だったら生き別れた姉妹、感動の再開場面なんだけどゾッとする。
眩しがって目を抑えながらもおもむろに敵意を向ける子供達の姿。
歳は10歳位の子から穂乃果と同じくらいの子まで男女合わせて11人
子供達には手錠がかかっていて手狭な牢にあるのは片隅にトイレがあるだけ。
一穂も例外ではなく綺麗な顔には似つかわしい小汚い手枷がはめられていた。
肌が白い子・黒い子・穂乃果と同じ色の子、総じて共通するのは衣服がボロボロで顔もアザだらけ。頬も痩せこけ栄養状態も最悪
思わず語気を強めて聞かずにはいられなかった。
それくらい僕の世界、コルチゾール王国ではありえない光景だからだ。
「穂乃果 これって どういうことなんだ?」