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レイがストロークに問うた。
「我々が王と接見したとして命の保証はあるのか?」
ストロークは考え込む。
「イスアラ王国の王位継承権はお子様が全員絶命されていることから実弟のウスマン氏が所持しております。モナ姫様がご存命となれば王位継承権が変更となり政治上のバランスが崩れる恐れがございます。」
「もし私が本当の第3王女だとしても王になる気なんてありませんよ。」
「モナにその気がなくても取り巻きがその気ならば抗う事は難しくなる。それにイスアラ王がモナを推したいと言ったらどうなる?本人の意思とは違う方向に進む事は容易に想像できる。」
「その通りでございます。モナ様が存命だということはウスマン氏の耳には入っていることは間違いございません。国王陛下がラーイヤ王妃の忘れ形見であるモナ様を不利益に扱うことはしないと思われますが何かしらの政治闘争が起こる可能性は考えられます。」
「先遣隊としてルドルフとアスナをイスアラ王に接見させるか」